分散投資をしようと考えた時に、どのような金融商品をポートフォリオに組み入れるべきなのでしょうか。
今回は資産運用の初心者向けに、仮に資産が1,000万円だった時の金融商品のポートフォリオ事例をご紹介します。
過去20年で600%以上のリターンを出したハーバード大学基金のポートフォリオとは?
出典:https://gentosha-go.com/articles/-/12135
世界一の投資家であるウォーレン・バフェットが、米国S&P500のインデックス投資を推奨しているのは有名な話です。
ですが、それを上回るパフォーマンスを過去20年で叩き出したことで話題になったのが、ハーバード大学基金のポートフォリオです。
ハーバード大学基金のポートフォリオを確認した時に気づくのが、以下の4つの投資先の割合が多いことです。
- 未公開株(20%)
- 不動産(14%)
- 絶対収益型ヘッジファンド(14%)
- エマージング国株(11.5%)
これらは伝統的な金融商品である株や債券などと異なり、オルタナティブ投資と呼ばれることもありますが、近年より注目を集めるようになってきた投資先です。
それではハーバード大学に習って、これらの4つの投資先を自身のポートフォリオにも組み入れたいと考えた時、日本ではどのような投資方法があるのでしょうか。
今回はそれぞれの詳細やメリット・デメリット、具体的な投資方法をご紹介します。
1. 未公開株へ投資する方法
未公開株への投資方法は以前にもこちらの記事でご紹介しました。
基本的に一般の個人投資家の場合は、直接個人間で投資契約を締結して投資をするよりも、株式投資型クラウドファンディングを利用する方が簡単で安全です。
と言いますのも、自身が有名なエンジェル投資家などでない限りは、信頼性の高い投資案件は回ってきませんし、逆に詐欺のような案件も世の中には存在するからです。
一方、株式投資型クラウドファンディング事業者が仲介に入りますので、あらかじめ詐欺のような案件などは排除され、その上で未上場企業への投資を検討できます。
さらに株式投資型クラウドファンディン事業者自体が、金融庁への登録が必要になっていますので、信頼性が担保されています。
株式投資型クラウドファンディングのファンディーノ
【公式サイト】https://fundinno.com/
株式投資型クラウドファンディングは、1社50万円を上限として、投資家がインターネットを通じて、ベンチャー企業に投資できる仕組みです。
そんな株式投資型クラウドファンディングの取引量、案件数ともにNo.1サービスには、ファンディーノ(FUNDINNO)があります。
満20才以上、金融資産300万円以上、投資経験1年以上向けの方のサービスにはなりますが、口座開設手数料や取引手数料などは無料になっていますので、資金を入金するときの銀行振込手数料ぐらいしか、手数料はかかりません。
ファンディーノには筆者も無料口座開設をしておりますが、毎月メールで新しい案件が送られてきますので、ベンチャー企業への投資検討が楽しみになるサービスです。
2. 不動産へ少額から投資する方法
続いて割合が大きいのが、不動産投資です。
ただし、1,000万円のポートフォリオを検討した時に、不動産投資を組み入れるのはある程度の元手が必要となるため、通常の不動産投資では難しいです。
そこで活用できるのが、不動産投資クラウドファンディングです。不動産投資クラウドファンディングは、1万円程度の少額から投資をすることができます。
上場企業が運営するオーナーズブック(OwnersBook)
東証マザーズ上場企業のロードスターキャピタル株式会社が運営するオーナーズブックというサービスを使えば、一口1万円から東京を中心とした不動産に投資が可能になります。
オーナーズブックは多くの投資家からインターネット上で資金を集めて、オーナーズブックが目利きをした上で、不動産に投資もしくは不動産投資会社に貸付を行います。
オーナーズブックは2014年にサービスを開始してから、これまで一度も貸し倒れもなく、非常に堅実なサービス運営をしている会社です。
私たち投資家への年間利回りは4〜6%程度が中心になっていますので、ミドルリターンの安定運用を行いたい方などにはおすすめのサービスです。
3. 絶対収益型ヘッジファンドへ投資する方法
ヘッジファンドについては、実際のところ日本で絶対収益型ヘッジファンドはありません。強いて言えばレオスキャピタルワークス株式会社が提供する、ひふみ投信がそれに近い金融商品かと思われます。
ただし、ひふみ投信は米国株も一部ポートフォリオに含まれているものの、基本的に日本の成長株にフォーカスしている投資信託です。そのため、すでに資産が日本円や日本株に偏っている方には、そこまでおすすめできる投資先ではありません。
逆にそのような方は、国際分散投資が可能なロボアドバイザーをおすすめします。
国際分散投資が可能なウェルスナビ(WealthNavi)
ロボアドバイザーのウェルスナビであれば、無料の口座開設を完了させて、資金を入金するだけで国際分散投資が可能です。
具体的には、米国株・日本株・新興国株・米国債券・金・不動産に分散投資が可能です。税金の計算や資産のリバランスなども自動で行ってくれますので、投資の初心者にはおすすめのサービスです。
手数料も年間1%程度となっていますので、購入時に手数料が3%〜4%程度もかかってしまう、アクティブ型の投資信託よりも手数料はお得です。
テーマ投資とロボアドバイザー投資ができるフォリオ(FOLIO)
ただし、運営会社のウェルスナビは大手金融機関のベンチャーキャピタルなどから出資を受けており、金融商品取引業社に登録されてはいるものの、ベンチャー企業ではあります。
ですので、大企業が運営しているような安心感が欲しい方は、大手IT企業のLINEと提携している、オンライン証券のFOLIOを利用されるのも良いでしょう。
4. エマージング国へ投資する方法
エマージング国(新興国)に投資をする方法としては、以下が挙げられます。
- 外国株の取り扱いが多いネット証券で株式を購入する
- 新興国に投資している投資信託をネット証券で購入する
- 新興国向けソーシャルレンディングを利用する
メジャーなのはネット証券を利用する方法でしょう。特にサクソバンク証券などは、外国株の取り扱いが多いため、外国株への投資には適しているでしょう。
ただし、そうは言ってもサクソバンク証券も米国株や欧州株、中国株などがメインとはなります。ですので、もっと南米や東欧などの成長国への投資をしたい方は、ソーシャルレンディングのクラウドクレジットを利用された方が良いでしょう。
海外新興国向け投資ならクラウドクレジット
クラウドクレジットはソーシャルレンディングの一つで、お金を借りたい人と貸したい人の仲介サービスです。私たち個人投資家からお金を集めて、海外新興国の成長が期待されるベンチャー企業などに投資をします。
そうして企業に貸し出したお金が無事に返済されれば、その分の金利収益などが、投資家側の収益となります。
クラウドクレジットのようなソーシャルレンディングは、ミドルリスクミドルリターンの投資商品で、株式や債券、投資信託などとも性質の異なる金融商品です。と言いますのも、株式市場などの影響を受けづらいからです。
1,000万円もの資金を運用しようとした場合、このようなソーシャルレンディングに分散投資をしておくと、金融危機が起きた時のリスク分散にもなるでしょう。
以上になりますが、ハーバード大学のポートフォリを確認しても、オルタナティブ投資先以外は、米国株や米国債など、一般的な金融商品も含まれています。
それぞれがバランスよく自身のポートフォリオに組み込まれていることで、安定的なリターンを出していると言えるでしょう。
現在の資産ポートフォリオに偏りがある方などは、一度自身のポートフォリオを見直して、下記のような新しい金融商品を組み入れてはいかがでしょうか。
分散投資におすすめできる金融商品の公式サイト一覧
カテゴリ | 金融商品 | 公式サイト |
未公開株 | 株式投資型クラウドファンディング | https://fundinno.com/ |
不動産 | 不動産投資クラウドファンディング | https://www.ownersbook.jp/ |
ヘッジファンド | 独立系投資信託 | https://www.rheos.jp/ |
ヘッジファンド | ロボアドバイザー(WealthNavi) | https://www.wealthnavi.com/ |
ヘッジファンド | ロボアドバイザー(FOLIO) | https://folio-sec.com/ |
外国株 | サクソバンク証券 | https://www.home.saxo/ja-jp |
新興国 | 新興国ソーシャルレンディング | https://crowdcredit.jp/ |