ソーシャルレンディングのオーナーズブック(OwnersBook)とクラウドクレジット(CrowdCredit)の特徴を比較してみました。
両方ともに口座開設は無料ですので、筆者は両方の口座を保有していますが、この記事ではそれぞれのサービスの詳細やメリットとデメリットを比較しつつ、口座開設がおすすめな方などをご紹介します。
不動産投資クラウドファンディングのオーナーズブック(OwnersBook)とは?
【公式サイト】https://www.ownersbook.jp/
『OwnersBook』は、不動産に特化したソーシャルレンディングです。
ただし、ソーシャルレンディングと言っても、公式サイトにも掲載されているように、オーナーズブックには以下の2種類の案件があります。
- 不動産への投資(エクイティ型案件)
- 不動産投資会社への貸付(貸付型案件)
1. エクイティ型案件
①「不動産への投資」の場合、私たち投資家からお金を集めて、オーナーズブックが目利きをして不動産に投資をします。そうしてその不動産の売却益や、収益物件からの賃料収入が、私たち投資家の利回りになります。
オーナーズブックには不動産投資のプロが集まっているので、何も知らない不動産投資の素人が投資を始めるよりも、成功確率は当然高くなるとは言えるでしょう。
実際に2014年にサービスが開始され、これまでに投資元本が毀損された実績はありませんので、オーナーズブックには確かな目利き力があると言えます。ただし、後述する不動産投資会社への貸付よりは、ハイリスクハイリターンになります。
2. 貸付型案件
続いて、②「不動産投資会社」への貸付の場合、オーナーズブックが不動産投資会社の与信審査をします。この会社にお金を貸しても無事お金を返済してもらえると思ったら、お金を貸し出します。
そうして、無事お金が返済されたら、私たち投資家の利益になります。また、お金を貸し出す際には不動産担保を取得します。ですので、万が一資金の貸し出し先が倒産してしまったとしても、取得した不動産担保を売却することで、ある程度の損失を補填することができます。
これまでのオーナーズブックの貸し倒れ実績はゼロですが、未来永劫ないとは言い切れません。ただし、不動産担保は全案件ついていますので、この点ではかなりリスクヘッジされた投資案件と言えるでしょう。
海外新興国投資ができるクラウドクレジット(CrowdCredit)とは?
『クラウドクレジット』は、海外新興国向けのソーシャルレンディングです。
ペルーやリトアニアなど、今後成長が見込まれる成長国への投資が可能です。新興国向けの案件がメインのため、他のソーシャルレンディング事業者よりも平均利回りが高く、10%以上の利回りが期待できる案件も多く存在します。
クラウドクレジットは社会貢献性の高い投資を対象としており、ソーシャルレンディング事業者の中でも異色の存在となっています。オーナーズブックのように不動産担保がついている訳ではありませんが、これまでに貸し倒れはありません。
創業者の杉山氏は東京大学を卒業後 大和証券SMBCに入社し、ロイズ銀行東京支店を経て、2013年にクラウドクレジット株式会社を設立した、いわゆる金融エリートです。メンバーにも金融のプロフェッショナルな方が集まっているのが、クラウドクレジットの特徴と言えます。
クラウドクレジット株式会社には、大手総合商社の伊藤忠商事なども出資しています。そのため、運営会社は今後上場が期待されるベンチャー企業でもあります。
ソーシャルレンディング案件の利回りやリターンを比較
オーナーズブックとクラウドクレジットの案件の利回りやリターンは、以下の違いがあります。
- オーナーズブック:4〜6%程度
- クラウドクレジット:6〜13%程度
クラウドクレジットの方が案件の利回りは非常に高くなっていますが、オーナーズブックの場合は、案件ごとに不動産担保を取得しています。
不動産担保を取得しているということは、最悪投資先が倒産してしまったとしても、取得した不動産担保を売却することで、ある程度の損失を補填できる可能性があるということです。
一方、クラウドクレジットの場合は、担保を取得していない場合がほとんどですので、その分リスクは高まります。ただし、クラウドクレジットもオーナーズブックも、これまでに貸し倒れが発生したことがないのは事実です。
今後も完全に発生しないとは言い切れませんが、かなり与信判断能力は高い2社と言えるでしょう。また、それぞれリスクの性質が異なるものですので、併用してリスク分散をはかるも一手です。
ソーシャルレンディング投資にかかる手数料を比較
続いて手数料については、以下の手数料は両方のサービスとも無料です。
- 口座開設手数料
- 口座維持手数料
- 取引手数料
投資信託などの金融商品の場合は、購入時の手数料や売却時の手数料、運用時の手数料など、手数料コストがかさむことが一般的です。
それに対して、新しい金融商品であるソーシャルレンディングなどは、そのような手数料が無料になっていることがほとんどです。
ただし、案件に投資し、返済があったのちに受け取った日本円を、自分の銀行口座に出金するときだけ、出金手数料がかかります。
- クラウドクレジット:月1回まで無料(2回目以降756円)
- オーナーズブック:一律324円
ソーシャルレンディングについては、そんなに頻繁に出金することはないかと思いますので、基本的にクラウドクレジットは無料と言えるでしょう。
また、かかったとしても一般的な銀行振込手数料分になりますので、そんなに頻繁に出金しない限りは微々たるものと言えるでしょう。
オーナーズブックとクラウドクレジットの運営会社の信頼性を比較
最後に、オーナーズブックの運営会社であるロードスターキャピタル株式会社は、東証マザーズ市場に上場している会社です。
上場会社になりますので、当然公式サイトではIR情報なども開示しており、透明性の高い会社です。実際に業績を確認してみても、これまでにも業績は好調に推移しています。
クラウドクレジットの場合は上場はしていませんが、株主に伊藤忠商事やマネックスベンチャーズなど、大手企業が参画しています。まだ会社自体の上場は先かもしれませんが、今後上場する可能性は十分にある会社と言えます。
現時点ではオーナーズブックの方が上場していることもあり、運営会社の信頼性や透明性自体は高い状況とはい言えるでしょう。
オーナーズブックとクラウドクレジットの比較まとめ
オーナーズブック | クラウドクレジット | |
案件概要 | 不動産 | 海外新興国投資 |
サービス開始 | 2014年 | 2015年 |
貸し倒れ | 無し | 無し |
不動産担保 | 有り | 無し |
利回り | 4〜6% | 6〜13% |
出金手数料 | 324円 | 月1回無料(2回目以降756円) |
運営会社 | 上場企業 | 未上場企業(伊藤忠商事が出資) |
公式サイト | https://www.ownersbook.jp/ | https://crowdcredit.jp/ |
筆者の結論としては、オーナーズブックもクラウドクレジットも、信頼性が高いソーシャルレンディング事業者という認識ですので、どちらか一方が良いとは言えない状況です。
国内主要都市の不動産や、海外新興国向けの案件に対して、ともに1~2万円程度の少額から始めることができますので、併用してリスク分散をはかれるサービスだと考えています。
それぞれ口座開設や口座維持手数料は無料ですので、まずは口座開設を完了させてから、案件への投資を検討されてみてはいかがでしょうか。