未公開株ファンドは買える?未上場株の投資信託について紹介

未上場株ファンド

未公開株(未上場株)のファンドを買うことはできるのでしょうか?

結論からお伝えすると、一般的な個人投資家が購入することができる、未上場株の投資信託というのは今のところはありません。

しかしながら、一般人でも可能な未上場株や未公開株への投資方法はあります。そこで今回は、それらの投資方法も含めて、未公開株ファンドや投資信託などについてお伝えします。

未上場株のファンドはPE(プライベート・エクイティ)

未上場株への投資ファンドと言えば、PE(プライベート・エクイティ)が挙げられます。

プライベート・エクイティは、未上場企業の株式を取得し、その企業の価値を高めて、上場に導いたり、他の企業やファンドに売却することで利益を上げるビジネスモデルです。

そんなプライベート・エクイティに投資をできるのは、非常に限られた機関投資家のみとなります。有名なところでは、例えばハーバード大学の基金などです。

大規模な金額を運用している機関投資家などは、プライベート・エクイティなどのオルタナティブ投資を、資産運用のポートフォリオに組み入れています。

このプライベート・エクイティのリターンがそれなりに高い成果をあげているため、投資のポートフォリオに組み入れる機関投資家も近年増えてきているようです。

ですが、私たちのような一般的な個人投資家は、そのようなプライベート・エクイティに投資をすることができるほど多額のお金を運用していませんので、基本的には直接プライベート・エクイティへLPとして出資することは難しいでしょう。

ただし、それでは個人投資家は未上場株や未公開株にリーチできないのかというと、そういう訳ではありません。

個人投資家はPEを介さずとも未上場株への投資方法はある


【公式サイト】https://fundinno.com/

PEなどを介さずとも、個人投資家も未上場株に投資することはできます。有名なのは、ファンディーノなどの株式投資型クラウドファンディングを利用する方法です。

株式投資型クラウドファンディングとは、非上場株式の発行により、インターネットを通じて多くの人から少額ずつ資金を集める仕組みです。

資金調達側の企業は年間1億円までの資金調達が限度となっており、投資家側の私たちは、1社につき50万円までの投資が限度となっています。

株式投資型クラウドファンディングのメリット

株式投資型クラウドファンディングのメリット
  • 初期からベンチャー企業の成長支援ができる
  • ハイリターンが得られる可能性がある
  • 面倒な契約手続きなどを業者が代行してくれる
  • 最初から信頼できる案件に投資ができる(詐欺リスクの排除)
  • エンジェル税制を適応できる案件がある(節税効果)

そんな株式投資型クラウドファンディングの一番のメリットとしては、通常では投資ができない未上場企業への投資が、インターネットを通じて簡単に可能な点が挙げられます。

また、株式投資型クラウドファンディングは、通常のベンチャー企業への投資と同じように、当たればハイリターンを得られる可能性があります。

他にも面倒な契約手続きがなかったり、最初からある程度の信頼性が担保された案件に投資ができたり、案件によっては節税効果なども得られる点がメリットといえるでしょう。

株式投資型クラウドファンディングを利用するデメリット

株式投資型クラウドファンディングのデメリット
  • 元本がゼロになる可能性がある
  • 上場株と比べるとすぐに現金化することができない

一方で、株式投資型クラウドファンディングはハイリスク・ハイリターンの投資のため、投資先の企業がIPOもできず、M&Aもされなかった場合、そのまま倒産してしまう可能性もあります。

そのため、投資元本がゼロになってしまう可能性がある投資です。そのようなハイリターンは許容できないという方は、貸付ファンドへの投資など、ミドルリスク・ミドルリターンの投資を検討された方が良いでしょう。

また、一度投資をしたら基本的には数年単位の長期投資になることが多いため、上場株のようにすぐに換金することはできませんので、この点には注意が必要です。

そのため、すぐに換金できるような気軽さを資産運用に求める方は、通常の株式投資であったり、近年人気が出てきているロボアドバイザー投資などに目を向けた方が良いでしょう。

株式投資型クラウドファンディングの提供業者の例

株式投資型クラウドファンディングの提供業者の例
  • ファンディーノ
  • エメラダ・エクイティ
  • GO Angel

株式投資型クラウドファンディングの提供業者の数はまだまだ少なく、今後増えていくことが想定されているものの、実質的に案件を提供しているのはファンディーノぐらいな状況です。

ファンディーノは2016年に始まった日本初の株式投資型クラウドファンディングサービスで、ベンチャー企業の累計の資金調達額は約20億円になります。

筆者もファンディーノを利用して実際に案件に投資をしていますが、毎月新しい案件がメールベースで送られてきますので、見るのが楽しみになっています。

ファンディーノは登録無料で口座維持手数料などもかからず、投資をする際の取引手数料も無料です。

ファンディーノを利用できるユーザーは限られているので注意

ただし、ファンディーノを利用できるユーザーは、満20才以上、金融資産300万円以上、投資経験1年以上で余裕資金がある投資家のみとなっています。

ある程度利用にはハードルが設けられていますが、未上場株への投資に関心のある方にとっては、貴重な投資機会を提供しているサービスと言えるでしょう。

なお、ファンディーノは口座開設のためには自宅に届く郵便物を受け取る必要があり、人気の案件は募集が始まるとすぐに埋まってしまいます。

ですので、投資検討をされたい方は、あらかじめ口座開設はしておくと良いでしょう。

新規上場したベンチャー企業に投資する投資信託はリスクあり

なお、未上場株ではないですが、新規上場したベンチャー企業への投資を基本とする投資信託ならば存在します。

具体的には、株式公開(IPO)から概ね5年以内の株式(上場予定を含む)への投資を基本とする「IPOリサーチ・オープン」などが挙げられます。

IPOリサーチ・オープンのパフォーマンスは微妙で手数料も高い

しかしながら、IPOリサーチ・オープンの設定来のパフォーマンスを確認すると芳しくなく、各種手数料も高いです。

具体的には、投資信託の購入時の手数料上限が3.24%であることに加えて、信託財産留保額が0.3%、信託報酬が年率1.7712%となっています。

正直、このパフォーマンスに対して、ぼったくりのような手数料体系になっています。

このパフォーマンスと手数料であれば、普通にネット証券からいくつかのIPO投資に申し込んだ方が良いのではないかと思われます。ファンディーノの投資家基準に該当されない方は、ネット証券でのIPOに参戦されることをおすすめします。