個人でベンチャー投資する最も簡単な方法を投資経験者がわかりやすく解説

ベンチャー投資

個人でベンチャー投資や未上場企業に投資をするには、一体どうしたら良いのでしょうか。結論からお伝えすると、株式投資型クラウドファンディングの「ファンディーノ(FUNDINNO)」のサービスを利用して投資をするのが、最も簡単な方法です。

筆者もファンディーノを通じて、2018年にはベンチャー企業の株式会社nommocに投資をしました。

ファンディーノを使えばインターネット上でベンチャー投資の手続きが完結するため、非常に簡単です。但し、満20歳以上、金融資産300万円以上、投資経験が1年以上ないと、ファンディーノを利用することはできません。ですので、それ以外の方は今回ご紹介する方法を参考にしてみてください。

株式投資型クラウドファンディングのFUNDINNO(ファンディーノ)とは?

【公式サイト】https://fundinno.com/

まず、株式投資型クラウドファンディングとは、非上場のベンチャー企業が、非上場株式を発行することによって、インターネットを通じて、多くの人から少額づつ資金を調達することを指します。

日本の法律によって、ベンチャー企業1社あたりの年間募集金額の上限は1億円未満、投資家である私たちの1社に対する年間投資上限金額は50万円となっています。そんな株式投資型クラウドファンディングの日本初のサービスが、ファンディーノ(FUNDINNO)です。

2021年2月時点で、累計調達金額は46億円以上、累計成約件数は140件以上、ユーザー数は56,943人以上となっています。ファンディーノを利用してベンチャー企業に投資をするメリットには、下記のような点があります。

ファンディーノを利用するメリット

ファンディーノを利用するメリット
  • ハイリターンを得られる可能性がある
  • 案件を選んで投資することができる(毎月数件の案件があり)
  • ファンディーノが面倒な契約手続きを代行してくれる
  • インターネットから簡単に投資ができる(契約書の紙ベースでの締結などは不要)
  • 得られた利益にかかる税金は申告分離課税(20.315%)
  • エンジェル税制適用の案件があり節税対策になる
  • 株価の上げ下げに一喜一憂する必要がない
  • 口座開設手数料や口座維持手数料が無料

上記のように色々とメリットはありますが、一番は今後成長が期待されるベンチャー企業に対して、ネットを通じて気軽に投資できるようになった点かと思われます。これまで一般の個人投資家はベンチャー企業へ投資する手段がなかったのですが、ファンディーノを通じて個人でも気軽に投資できるようになりました。

一方で、ファンディーノを利用するというか、ベンチャー投資をする場合はデメリットもあります。例えば、下記のようなリスクがあります。

ファンディーノを利用するデメリット

ファンディーノを利用するデメリット
  • 投資金額がゼロ円になる可能性もある
  • IPOかM&Aされないと基本的に換金できない
  • 1社50万円までしか投資ができない

ベンチャー投資はいわゆるハイリスク・ハイリターンですし、少ない情報の中で投資判断をしないといけません。例えば上場企業の株式であれば、IR情報がありますので、財務の分析なども可能です。

一方、ベンチャー企業への投資の場合、そこまで詳細な情報がない場合も多いです。そのような中で投資をするため、もちろん当たればハイリターンにはなるのですが、その分リスクも大きいのです。

但し、その企業が成功するかどうかだけが重要ですので、日々の株価や景気動向をそこまで気にする必要がありません。自分が応援したいと思うような企業があれば投資をすれば良いというシンプルな意思決定が可能なのがベンチャー投資です。

ベンチャー投資は他の金融商品と組み合わせてリスク分散が可能

リスクヘッジ

ベンチャー投資はリスクが高いことは確かですが、ベンチャー投資は他の金融商品と組み合わせることで、リスク分散が可能です。

例えば、上場企業の株式投資の場合は、どうしても世界経済や日本経済、株式市場の動向などに影響を受けることになります。一方で、ベンチャー投資の場合はそもそも上場していない株式に投資をするわけですから、あまりそのような外的要因は関係ありません。

もちろん日本が不景気になると、投資したベンチャー企業の業績も落ちるかもしれません。ですが、そもそもIPOやM&Aというのは不景気でも好景気でも、上場できる企業はできますし、買収される企業は買収されるものです。

そのため、非上場株への投資は、上場企業への株式投資とは違うリスクを持った性質の金融商品と言えるため、分散投資には適しています。また、日々の株価の上げ下げに一喜一憂する必要もない点はメリットですし、長い目で投資ができる方にはベンチャー投資は向いていると言えるでしょう。

エメラダエクイティやGO Angelなどの株式投資型クラウドファンディングも出てきている

株式投資型クラウドファンディングの日本初のサービスがファンディーノですが、現在では他にもサービスを提供している会社は存在します。

例えば、エメラダ・エクイティや、GO Angelなどのサービスが該当します。ただし、どちらもファンディーノほど案件が集まっていなかったりして、2019年時点では案件の更新が止まっているような状況です。2020年にはユニコーンやイークラウドなどのサービスも出てきましたが、ファンディーノほどは案件数が集まっていないのが現状です。

そのため、基本的には案件数も日本トップで、毎月新しい案件の情報をメールで受け取ることも可能な、ファンディーノ(FUNDINNO)を利用されるのがおすすめです。ファンディーノで人気の案件は、資金の募集開始からすぐに募集が埋まってしまいますので、筆者もファンディーノの案件を見逃さないように、お知らせメールの受信設定をONにしています。

今後将来的にベンチャー投資を検討したい方も、ファンディーノの口座開設は無料ですので、予め口座を開設しておき、チャンスの時に投資ができるようにしておくのがおすすめです。

個人でベンチャー企業にエンジェル投資するのはハードルが高い

リスク

もちろん、ファンディーノなどのサービスを利用せずに、個人で直接ベンチャー企業に投資をする方法もあります。

ですが、そもそも多くの人にとっては、ベンチャー企業に直接投資する機会がほとんどありませんし、投資させてもらえるベンチャー企業と出会えることも、正直稀であると言えるでしょう。また、ベンチャー企業で資金調達する側としても、個人の投資家から資金調達をするのであれば、その投資家に対しては、ある程度のビジネス経験などを求める場合がほとんどでしょう。

さらに、個人でベンチャー企業に投資をする場合、契約の手続きなども煩雑になりますし、何かトラブルがあった場合、自分で全て解決しなければなりません。このように個人でベンチャー企業にエンジェル投資をするのはかなりハードルが高いこともあって、日本では本当に一部の成功した起業家などが取り組んでいるような状況です。

儲けだけを考えるのならばIPO株に投資をするのも一手

リスク

個人でベンチャー投資をするなら、ファンディーノを利用するのが一番お勧めです。ですが、単純にリターンだけを追求するのであれば、IPO投資は理にかなっているでしょう。

IPO投資の場合は、もうすぐ上場するベンチャー企業へ投資する方法ですが、これまでの過去実績からも、IPOをした銘柄の多くは上場後一気に株価が上昇しています。但し、IPO投資は非常に人気があることもあって、現在では抽選にあたりにくくはなっています。

しかしながら、もしIPO投資に応募して抽選に当選することができれば、利益をあげられる可能性が高いとは言えるでしょう。IPO投資に参加するには、基本的に多くのネット証券に口座を保有しておいた方が有利です。以下に主なIPO取り扱いの証券会社を紹介します。

大手ネット証券の口座数・IPO取り扱い数・抽選スタイルを比較

証券会社 口座数 IPO取り扱い数(2018年) 抽選スタイル
SBI証券 約450万 86社 資金量が多いと有利(一部抽選)
マネックス証券 約180万 50社 100%完全平等抽選
楽天証券 約300万 11社 100%完全平等抽選(申込数上限あり)
ライブスター証券 3社 100%完全平等抽選
GMOクリック証券 約40万 1社 100%完全平等抽選
DMM株 2019年より開始 100%完全平等抽選

上記のように抽選スタイルにも完全平等のところもあれば、SBI証券のように資金量が多いと有利であったりする証券会社もあります。そのため、IPO投資に申し込みをしても、当選するとは限りません。

筆者もSBI証券からは上場予定の「スマレジ」に申し込んでみましたが、申込株数がそんなに多くありませんので結局当たりませんでした(余談ですがスマレジについては上場後に投資を行い、今でも保有し続けています)。

そのため、IPO投資にチャレンジするのであれば、いくつかのネット証券にあらかじめ無料の口座開設をしておくのが良いでしょう。ちなみに筆者の場合はほぼ全てのネット証券に口座を開設しています。

なお、NISA口座を活用してIPO投資に参加しようと考えている方の場合、楽天証券では使えませんので、注意が必要です。楽天証券は大手ネット証券で非常にサービスも良いのですが、IPO投資の際には気をつけてください。

以上になりますが、IPO投資は若干ベンチャー企業への投資とは色合いが異なる部分はあるため、まだ上場していない企業に長期投資をしたい方は、ファンディーノの利用が最もおすすめです。