ポイント投資やポイント運用サービスが最近話題になっています。
ポイント投資とは、クレジットカードなどを利用して貯まったポイントなどを使って、投資信託や株などを購入できるサービスです。貯金などの元手の資金が必要ないため、投資の初心者でも気軽に始めることができます。
そこで今回は、世の中にある様々なポイント投資サービスの特徴を比較した上で、おすすめのポイント投資やポイント運用サービスをご紹介します。
ポイント投資の主な種類やメリットとは?
そもそもポイント投資には以下の2種類があります。
- ポイントを金融商品(投資信託やETFなど)に交換して運用する方法
- ポイントのまま運用する方法
ポイントを投資信託などに交換して運用する方法と、ポイントのまま運用する方法です。両方ともに共通する大きなメリットは、大きな元手が必要ない点です。
クレジットカードなどを利用して貯めたポイントをそのまま使えますので、貯金の必要がありません。さらに、貯まったポイントは100円などの少額から投資に回すことができますので、気軽に始めやすいというメリットがあります。
また、ポイントのまま運用する場合は、ポイントが増えても「一時所得」となる可能性が高いです。一時所得の場合は年間50万円までは非課税になりますので、基本的に税金もかからない可能性が高いでしょう。
続いて、今ではいろんなポイント投資のサービスがありますので、カテゴリを整理しつつご紹介します。
ネット証券が提供するポイント投資サービスの一覧を比較
- SBIネオモバイル証券(Tポイントカード):Tポイントで投資
- 楽天証券(楽天カード):楽天スーパーポイントで投資
- 松井証券(MATSUI SECURITIES CARD):クレカ決済で貯まったポイントで投資
- インヴァスト証券(インヴァストカード):クレカ決済で貯まったポイントで投資
- tsumiki証券(エポスカード):エポスポイントが貯まる
まずポイント投資で王道なのは、ネット証券が提供するポイント投資サービスです。この中でも、特にユーザー数が多いポイント投資のサービスをご紹介します。
1-1. (新規追加)SBIネオモバイル証券のTポイント投資
『SBIネオモバイル証券(ネオモバ)』は、Tポイントを使って日本株とロボアドバイザーが買える証券サービスです。
1株単位(S株(単元未満株))で株が買えるため、数百円から投資を始めることができます。月額サービス利用料200円(税抜)で国内株式約定代金合計額50万円まで取引し放題で、毎月Tポイントが200ptもらえます。そのため、実質消費税分の20円程度しかお金がかかりません。
普段のお買い物で貯めたTポイントを使って、スマートフォンから簡単に投資を始めることができるため、Tポイントユーザーには嬉しいポイント投資サービスです。筆者も早速ネオモバで余ったTポイントを使って株式投資を行なっています。
少額から投資をすることができますし、もともとなかったような元手ですので含み損が出てもそこまで気にすることもありません。WealthNavi for ネオモバという、1万円からできるロボアドバイザーもありますので、長期投資でコツコツと資産形成をしていきた方にもおすすめです。
1-2. 楽天証券での楽天スーパーポイントによる投資
楽天スーパーポイントは、みなさんも普段生活していて聞いたことがあるのではないでしょうか。楽天証券では、楽天カードを使うことで貯めることができる「楽天スーパーポイント」を使って、楽天証券にある投資信託などを100円といった少額から購入することができます。
具体的には、楽天証券に口座を開設して、そこから楽天スーパーポイントを連携します。そうすると、楽天証券が取り扱う投資信託の購入資金などに充当することができます。楽天スーパーポイントは、年会費永年無料の「楽天カード」を使って貯めていくことができます。
投資の初心者の方には、コストをかけずリスクなく投資を始められますので、とにかく王道が良い方は、「楽天カード+楽天証券+楽天銀行」の3点セットで始めるのがおすすめです。特に楽天証券と楽天銀行を連携(マネーブリッジ)すると、楽天銀行の普通預金金利が0.1%にまで上昇します。
筆者はこのように楽天銀行と連携させて高い普通預金金利を教授しつつ、楽天カードを使って投資信託の積立投資も行なっています。毎月5万円を上限として楽天カード決済で積立投資ができますので、決済されるたびに楽天ポイントも貯まって二重にお得な資産形成を行うことができます。
筆者もこの楽天カードのクレジットカード積立で、毎月以下のように積立を行っています。
そのため、楽天ポイントでの投資を検討されている方は、まずは年会費無料の楽天カードの作成から始められるのが良いでしょう。ちなみにブランドはVISAかMasterCardを選んでおけば、世界中でクレジットカードを利用することができます(JCBは海外で使えないところが多いため注意が必要です)。
1-3. 松井証券のポイント投資サービスは自動積立も可能
続いて、松井証券のポイント投資サービスです。松井証券が発行する「MATSUI SECURITIES CARD」を使って貯めたポイントは、下記の投資信託へ投資することができます。
- ひふみプラス(日本の成長株投資)
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
MATSUI SECURITIES CARDは初年度の年会費が無料で、年間に1回でも利用すれば翌年度の年会費(1,250円)が無料になります。
年間1回程度はクレジットカードを利用される方は多いかと思いますし、ポイント投資に充当することを考えれば、ほとんど年会費を意識することはないでしょう。楽天証券とは異なり投資先は限られますが、投資信託のチョイスが良いと思われます。
eMAXISシリーズは手数料が安い投資信託で、先進国という攻めのファンドと、バランスという守りのファンドがきちんとラインナップで揃えられています。また、日本の成長株にフォーカス投資をしている投資信託である「ひふみプラス」は、R&Iファンド大賞を4年連続受賞するなど実績があり、当サイトでもおすすめできる投資信託としてご紹介しています。
実際に筆者もひふみワールドという、世界株に投資する投資信託に毎月10万円の積立投資を行なっています。投資先の選択肢が限られているということは、逆に初心者にとっては迷わなくて良いというメリットもあります。
絞られた投資先でコツコツと資産形成をしていきたい方には、MATSUI SECURITIES CARDはおすすめのクレジットカードです。
1-4. インヴァスト証券のインヴァストカードも選択肢の1つ
この他にもインヴァスト証券のインヴァストカードもありますが、インヴァスト証券は実際のところSBI証券や楽天証券ほどはメジャーなネット証券ではありません。ただし、インヴァストカードでのポイント投資は、クレジットカードのポイントを現金にして積立投資を行うため、ポイントを失効させるリスクがありません。
インヴァスト証券の場合は、上記二つとは異なり「トライオートETF」を使った資産運用になります。投資先となる「ETF」は、バリエーションが豊富で低コストで取引ができるため、米国では一般的な投資信託に代わり大きくシェアを伸ばしている金融商品です。
インヴァストカードでは、世界のETFを「トライオートETF」口座で買い付けすることで、両替不要で少額から購入ができ、なおかつ元本の為替リスクを排除しています。初年度の年会費は無料で、売買手数料も無料です。
次年度以降は前年1回以上のカードショッピングの利用で年会費が無料になります。ただし、SBIネオモバイル証券や楽天証券とは異なり、口座の連携や開設に若干の手間がかかります。そのため、株や投資信託とは異なる運用先として、世界のETFにも関心のある方であれば、インヴァストカードの利用を検討されてみても良いでしょう。
1-5. tsumiki証券のエポスカードはエポスポイントが貯まる
最後に「tsumiki証券」が提供する、年会費永年無料のエポスカードです。エポスカードの場合は、エポスカードで自動積立投資をすると、「エポスポイント」が貯まるという性質のものです。
そのため、今のところはエポスポイントで投資できるわけではありません。なお、エポスカード保有者が使えるtsumiki証券では、下記の4つの投資信託が可能です。
- コモンズ30ファンド
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
- セゾン資産形成の達人ファンド
- ひふみプラス
tsumiki証券においても、松井証券と同じく「ひふみプラス」が入っています。
それに加えて当サイトでもご紹介している独立系投資信託がラインナップされています。これらの投資信託はtsumiki証券で購入しなくても、実際には直接公式サイトから購入することも可能ですが、エポスカード経由で購入すことで、エポスポイントが貯まるというメリットを得ることができます。
エポスカード自体も年会費が永年無料で使い勝手の良いクレジットカードではありますので、マルイをよくショッピングなどで利用される方などは、エポスカードの発行を検討されてみるのは良いかと思われます。
② ロボアドバイザーを利用したポイント運用サービスを比較
- ドコモ(Dポイント投資):THEO+docomo
- トラノコ(お釣りで投資):トラノコ
続いて、ロボアドバイザーを利用したポイント運用サービスには、ドコモのDポイント投資とトラノコのお釣りで投資があります。
2-1. ドコモのDポイント投資の特徴
dポイント投資は、ポイント運用サービスの一つです。
貯まったポイントを運用に回すことで、投資信託(ロボアドバイザーTHEO)の価格に応じてポイントが増減します。dポイントで投資信託を買える訳ではありませんが、逆に「THEO」というロボアドバイザーで資産を運用すると、dポイントがもらえるサービスは展開されています。
THEOは、簡単にお伝えすると1万円からできる、完全にお任せの資産運用サービス(ロボアドバイザーサービス)です。資金を入金すれば、あとは自動で国際分散投資をしてくれます。
今のところポイント投資には通信系大企業ではドコモしか参戦していないようですが、そのうちソフトバンクやAUなどもポイント投資の市場に参戦してくる可能性は十分あります。すでにサービス開始から50万人以上がポイント投資を利用されているようです。
2-2. トラノコのお釣りで投資とは?
トラノコは、毎日のおつりを自動で資産運用に回せるサービスです。こちらの資産運用をプロが行ってくれるのです。
「おつりで投資」を利用するには、まずは100円・500円・1,000円の中から金額を設定します。例えば「100円」を設定した場合、540円の支払いをする時に「100円」で支払うことになります。
そして、100円×6枚-540円=「60円」のおつりが積立資金となります。そんなお釣りで投資ができるトラノコでは、ポイントを投資に回すこともできます。
今の所はリアルペイ、ジーポイント、ネットマイル、ポイントタウン、ANAマイルなどと連携しています。トラノコの投資先は3種類から選択することができ、安定重視・バランス重視・リターン重視の中から選ぶことができます。
ただし、ユーザー数12万人以上のロボアドバイザー「ウェルスナビ」が提供するマメタスとは異なり、月額料金がかかります。そのため、お釣りで投資のサービスを無料で利用したい場合は、ウェルスナビを利用された方が良いでしょう。
おすすめのポイント投資サービスについての筆者の総合評価
- SBIネオモバイル証券(月額220円 ※毎月Tポイントが200pt自動付与)
- 楽天カード(年会費永年無料)+楽天証券(口座維持手数料無料)
- MATSUI SECURITIES CARD(1回利用で翌年も無料)
- インヴァストカード(1回利用で翌年も無料)
この他にもセゾンカードのセゾン永久不滅ポイントを運用するサービスなど、クレジットカード会社が提供するポイント運用サービスは増えてきています。また、ストックポイントなど、ポイント運用サービス自体を提供する事業者のサービスもありますが、ストックポイントの場合は手数料が高いためあまりおすすめはできません。
総合的に考えると、楽天証券+楽天カード(+楽天銀行)といった形で、楽天グループが提供するサービスを固めて利用するのが、初心者にとっては一番リスクなく始められる資産運用と言えるでしょう。