上場前の株の買い方は?3種類の方法を初心者にもわかりやすく解説

上場前の株(未上場株・未公開株)を購入するためには、一体どうしたら良いのでしょうか?

今回は投資の初心者にもわかりやすく、上場前の株の買い方についてご紹介します。まず、結論からお伝えすると、上場前の株を買う方法としては下記の3種類の方法があります。

上場前の株を買う方法には何がある?3種類のやり方

上場前の株の買い方
  1. 株式投資型クラウドファンディングに登録する
  2. ネット証券に登録してIPO投資に参加する
  3. 個人で投資する

一番簡単なのは「株式投資型クラウドファンディング」を利用する方法ですが、利用できる人に限りがあります。具体的には投資経験1年以上、金融資産300万円以上が必要です。

そのため、それ以外の方は2番の「IPO投資に参加する」方法を選択されるのが無難でしょう。なお、3番の個人で投資する場合は、基本的には信頼できる知人からの紹介など、限られたルートからのみの案件となる場合が一般的です。

自分自身がすでに「エンジェル投資家」などで有名な投資家の場合は問題なく投資をすることができるかもしれませんが、世の中には詐欺のような案件もありますので、注意が必要です。それでは、それぞれのやり方の詳細をご紹介します。

① 株式投資型クラウドファンディングを利用する場合

【公式サイト】https://fundinno.com/

株式投資型クラウドファンディングは、非公開株式の発行により、インターネットを通じて投資ができる仕組みです。

投資家は1社につき50万円を上限として投資をすることができ、資金調達側のベンチャー企業は年間1億円未満を上限として資金調達できることが法律で定められています。今後規制が緩和される可能性はありますが、今の所はそのような規制となっています。

そして、株式投資型クラウドファンディングのNo.1サービスが『ファンディーノ』です。ファンディーノは、2016年にサービスを開始し、2023年までに累計成約額100億円以上、累計成約件数300件以上と、非常に多くの案件を取り扱っています。筆者もファンディーノを通じて、株式会社nommocという移動を無料にすることを掲げたベンチャー企業にエンジェル投資しています。

実はnommocは一度Exitする機会があったのですが、筆者の場合は長期で保有した方がより高いリターンを得られると考え、継続保有しています。このように、これまでは限られた人しか投資することができなかった非公開企業への投資を、ファンディーノは広く一般の個人投資家に提供しています。そんなファンディーノの主なメリットは以下です。

株式投資型クラウドファンディングファンディーノのメリットとデメリットとは

ファンディーノのメリット
  1. 投資したベンチャー企業が成功したら、ハイリターンを得られる
  2. 今後成長が見込まれる未上場企業への投資に、一般人も参加できる
  3. 投資した場合、未上場企業のIR情報を定期的に得ることができる
  4. エンジェル税制対象企業へ投資した場合、所得税の優遇措置を受けられる
  5. ファンディーノのサイト上で、投資家同士の交流機会がある
  6. 得られた利益にかかる税率が、一律20.315%ですむ
  7. 日々の株価動向を気にする必要がない

上記のようにファンディーノにはいろいろなメリットがありますが、一番はやはり投資した企業が成功したらハイリターンを得られることです。上場株とは異なり、投資するタイミングもそんなに気にする必要がありません。

一方でデメリットは、失敗したら全額損失となるという点です。但し、投資した金額以上の損失はありませんので、負債を抱えるリスクなどはありません。投資先の企業が成功するかどうかだけが重要ですので、そこにフォーカスして投資判断を行うことができます。

なお、株式投資型クラウドファンディング「ファンディーノ(FUDNINNO)」はハイリスク・ハイリターンの金融サービスに分類されるため、以下のような方は利用ができません。

ファンディーノ(FUNDINNO)を利用できない方とは

ファンディーノを利用できない方の事例
  1. 1年以上の、有価証券の売買等の投資経験がない方
  2. 金融資産を 300 万円以上保有されてない方
  3. 満 20 歳未満の方及び満 80 歳以上の方
  4. 投資資金の性格が生活費・借入金・使途確定金等の方
  5. ご本人様以外でお申込みをされる方
  6. 暴力団員、暴力団関係者あるいは総会屋等の反社会的勢力に該当される方
  7. 海外にお住まいの方、海外に居住地国を有する方等
  8. 米国市民(米国籍保有者)、グリーンカード保有者又は米国居住者の方
  9. 既に当サイトの投資家登録をされている方(重複登録は不可)
  10. 成年後見人制度に係る家庭裁判所の審判を受けた方等
  11. 外国政府等において重要な公的地位にある(あった)方及びその家族の方
  12. 法人の方(現在、法人の方の投資家登録は受け付けておりません)

上記の方に当てはまらない場合でベンチャー企業の投資を希望される方は、まずはファンディーノに事前に無料登録されるのが良いでしょう。

ファンディーノの人気案件は数分程度で募集が締め切られてしまうこともあるため、あらかじめ口座を開設しておかないと投資ができない場合もあります。

ファンディーノで無料の口座開設をするためには本人確認書類の画像の提出や、後日ファンディーノから自宅に届く郵便物の受け取りが必要です。但し、ファンディーノは口座維持手数料も取引手数料も無料ですので、まずは口座開設をされて、実際の投資案件を色々と吟味されてみるのがおすすめです。

金融資産200万円以上から投資できるUnicorn(ユニコーン)の特徴

ユニコーン

【公式サイト】https://unicorn-cf.com/

続いて、株式投資型クラウドファンディングには、上場企業の株式会社ZUUと資本提携した「ユニコーン」もあります。ユニコーンは、投資銀行や証券会社の出身者が経営する会社で、口座開設は金融資産200万円以上でOKとなっています。

それ以外には以下のような特徴があります。

1社5万円から投資可能

Unicornでは、1社5万円から50万円まで株数単位で投資ができます。なお、株式投資型クラウドファンディングは1社50万円までが投資上限となっていますが、今後法律が改正される可能性はあるでしょう。

最低1年に1回は株主優待がある

また、最低1年に1回は、株式投資型クラウドファンディングのUnicornを通じて株式を購入した株主は、株主優待を得ることができます。

株主優待の内容は当然会社によって異なりますが、資金調達の募集の段階で、予定している優待の内容を開示してくれます。

最低3ヶ月に1回は事業報告がある

さらに、投資後に音沙汰がないといったことはなく、最低3ヶ月に1回は会社からの事業報告があります。そのため、投資して株主になれば、定期的に会社の進捗を把握することができます。

また、株式会社ユニコーン側でも、ベンチャー企業に対して継続的に経営をサポートしてくれますので、通常のベンチャー企業よりも成功確率が上がっているとは言えるでしょう。

新しく始まった株式投資型クラウドファンディングのイークラウド

株式投資型クラウドファンディング - イークラウド

【公式サイト】https://ecrowd.co.jp/

2019年に、スタートアップスタジオを運営するXTech(クロステック)株式会社は、株式会社大和証券グループ本社の100%子会社であるFintertech(フィンターテック)株式会社と共に、株式投資型クラウドファンディング事業を展開予定のイークラウド株式会社を設立しました。

最短即日から投資可能

イークラウドは、最短即日から投資が可能なサービスです。

投資家登録は、スマートフォンでオンライン完結します。法律が改正されたことで、口座開設に当たってハガキの受け取りなどの手続きが不要となりました。

大和証券グループとの連携

また、大手証券会社の大和証券グループと連携して事業運営しているため、安心してサービスを利用することができます。これらがイークラウドのメリットです。

イークラウドは比較的新しく始まったサービスでので、当然ながらExitの実績などはまだなく、今後の成長性や案件増加に期待する事業者です。その点がデメリットといえばデメリットでしょう。但し、すでに案件数は20件以上を突破しており、サービスとしては順調に成長しています。

株式投資型クラウドファンディングの利益確定について

税金

なお、株式投資型クラウドファンディングを利用する場合は、上場していない企業に投資すること形になります。

そのため、利益が出るタイミングは、M&AやIPOが実現した時と言えます。基本的にそんなにすぐにベンチャー企業がIPOを実現することはありませんので、長期投資になることが一般的です。

もちろん、話題になったベンチャー企業が大企業から設立すぐに買収する場合もありますが、日本ではまだまだM&Aの件数は米国などと比べると多くはないです。

そのため、基本的には株式投資型クラウドファンディングは、長期的にベンチャー企業の成長の支援をしたい方などにおすすめです。

一方で、自分の好きなタイミングですぐに換金したい方や、すぐに利益が欲しい方には、次にご紹介するIPO投資に挑戦されるのが良いでしょう。

② IPO投資を利用する場合

IPO投資

IPO投資は、すでに上場が確定している銘柄に投資する形になります。未上場のベンチャー企業がIPOをすると、その直後には初値から株価が大きく上昇する傾向があります。

もちろん全ての企業がそうなるわけではありませんが、これまでにも多くの企業が上場初日に株価が大きく上昇しています。そのため、事前にネット証券からIPO投資の抽選に申し込みます。

ただし、IPO投資の場合はほとんどが抽選制です。そのため、投資したくても投資できない場合があります。SBI証券などは資金量があれば当選確率が高くなりますが、それでも確実とは言えません。

下記にIPO投資でおすすめの証券会社一覧を記載しておきますが、筆者の場合は全ての口座を保有しています。と言いますのも、口座開設は無料ですし、維持手数料もかからないからです。

IPO投資でおすすめのネット証券会社一覧とIPO取り扱い数を比較

証券会社(公式HP) IPO取り扱い数(2018年) 抽選スタイル
SBI証券 86社 資金量が多いと有利(一部抽選)
マネックス証券 50社 100%完全平等抽選
楽天証券 11社 100%完全平等抽選(申込数上限あり)
ライブスター証券 3社 100%完全平等抽選
GMOクリック証券 1社 100%完全平等抽選
DMM株 2019年より開始 100%完全平等抽選

抽選の確率を上げるためには、口座を多数保有しておき、それぞれの証券会社で申し込むのがおすすめです。

筆者もSBI証券でIPOには何度か申し込んでいますが、残念ながらそれなりの資金を投入しないと中々当選しません。完全抽選がよく取り扱い数が多いネット証券が良い方には、マネックス証券がおすすめです。

ただし、SBI証券の場合は抽選に外れるとIPOチャレンジポイントをもらうことができます。IPOチャレンジポイントは、後々のIPO投資に活用することができます。

そのため、SBI証券では毎回と言ってはあれですが、気になる案件には申し込むようにすると、その後のIPO投資に役立てることはできるでしょう。筆者もSBI証券で気になるIPO投資案件には、毎回積極的に申し込むようにしています。

(2019年追記)SBIネオモバイル証券でひとかぶIPOが開始

さらに、2019年からは『SBIネオモバイル証券』でひとかぶIPOのサービスが始まりました。

通常は100株単位などで申し込む必要があるため、それなりの資金力が必要でしたが、ひとかぶIPOであれば、本当に数百円や数千円で申し込みが可能です。SBIネオモバイル証券は、月額220円で国内株式約定代金の月間合計額50万円まで取引し放題です。

さらに毎月200ptのTポイントをもらうことができ、そのTポイントを使って株式やロボアドバイザーに投資をすることができます。

筆者もSBIネオモバイル証券では、余ったTポイントを使って積極的に日本の個別株に投資を行なっています。今後はひとかぶIPOにも参加してみようかと考えていますので、まずは少額から投資を始めたいという方には、SBIネオモバイル証券がおすすめです。

(2023年追記)SBIネオモバイル証券は、現在ではSBI証券に統合されました。そのため、少額投資を始めたい方もまずはSBI証券に口座を開設されるのがおすすめです。

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