2019年に4月10日にSBIネオモバイル証券(ネオモバ)が誕生しました。
SBIネオモバイル証券は、Tポイントを使って数百円から日本株が買えたり、1株からIPOに参加できたり、1万円からロボアドバイザー(WealthNavi for ネオモバ)に投資できるサービスです。筆者も実際に利用していますが、通常のSBI証券とは何が違うのでしょうか。
そこで今回は、SBIネオモバイル証券とSBI証券の両方のユーザーである筆者が、実際に利用した感想と、それぞれの違いや利用がおすすめな方をご紹介します。
SBIネオモバイル証券とは?SBI証券との主な違い
【公式サイト】https://www.sbineomobile.co.jp/
『SBIネオモバイル証券』は、ネット証券No.1の口座数、預り資産、株式委託売買代金を誇るSBI証券と、Tポイントのデータを元にしたマーケティング事業を展開するCCCマーケティングとの合弁会社として設立されました。
SBIネオモバイル証券では、1株単位(S株(単元未満株))で株が買えます。そのため、例えば日々の買い物などで貯めた数百ポイントのTポイントを使って、元手なしで株式投資を始めることができます。
SBIネオモバイル証券は月額利用料がかかるが取引手数料はお得
また、通常のSBI証券は、口座を開設したからといって月額利用料金はかかりません。一方、SBIネオモバイル証券は、月額サービス利用料200円(税抜)がかかります。
ただし、その代わりに取引時の手数料が決まっています。国内株式約定代金合計額が50万円までであれば、サービス利用料200円(月額)のみで、50万円以内であれば同じ手数料で取引がし放題です。
さらに、毎月固定Tポイントが200ptもらえますので、実質の負担は毎月20円となっています。
SBI証券の国内株式の現物取引の手数料と比較すると差は歴然
このSBIネオモバイル証券の手数料がどれだけお得なのかを、実際に通常のSBI証券の手数料と比較してみます。通常のSBI証券では、1注文の約定代金が10万円までで90円ほどかかります。
例えば、一月に2銘柄を10万円ずつ購入して、その2銘柄のうち1銘柄を売却した場合、90円×3=270円(税別)ほどかかることになります。これではすでに月額200円を超えていますので、SBIネオモバイル証券を利用した方が取引手数料がお得になります。
特に少額の金額の株式をなんども売買したい方や、短期の株式トレードをしたい方などであれば、SBIネオモバイル証券の方が手数料面ではお得になる可能性は高いでしょう。
WealthNavi for ネオモバは1万円からできるロボアドバイザー
【公式サイト】https://www.sbineomobile.co.jp/
また、SBIネオモバイル証券では、これまで10万円からしか始めることができなかったロボアドバイザー「WealthNavi」も、1万円から始めることができるようになりました。
WealthNaviは、完全にお任せの資産運用ができるユーザー数No.1のロボアドバイザーです。ユーザーである私たちは5つの運用プランから自分に合ったものを選択して、資金を口座に入金するだけで、あとは自動で国際分散投資をしてくれます。
上記は筆者のポートフォリオですが、米国株・日欧株・新興国株・米国債券・金・不動産・現金に分散投資をしてくれています。ポートフォリオは定期的にリバランスもしてくれて、税金の最適化も自動で行ってくれますので、一度投資をしてしまえばやることはほぼありません。
WealthNavi for ネオモバとWealthNavi for SBI証券とWealthNaviの違い
サービス名 | WealthNavi for ネオモバ | WealthNavi for SBI証券 | WealthNavi |
最低投資金額 | 1万円〜 | 10万円〜 | 10万円〜 |
自動積立 | 5000円〜 | 1万円〜 | 1万円〜 |
投資対象 | 海外ETF(7銘柄) | ||
手数料 | 預かり資産の年率1%程度(3,000万円超の部分は年率0.5%) ※通常のWealthNaviでは長期の資産運用で手数料割引あり |
||
スマホアプリ | × | × | ○ |
マメタス | × | × | ○ |
預かり資産残高 | – | 1,500億円以上 | 2,300億円以上 |
ユーザー数 | – | 15万人以上 | 28万人以上 |
これまで通常のロボアドバイザーWealthNaviも、WealthNavi for SBI証券(SBI証券のWealthNaviの仲介サービス)も、最低投資金額は10万円からでした。
しかしながら、WealthNavi for ネオモバが誕生したことで、1万円からロボアドバイザーを利用することができるようになった点が大きな違いです。また、自動積立も1万円からしかできませんでしたが、WealthNavi for ネオモバであれば5000円から可能です。
実はこれまでロボアドバイザーのTHEOが1万円から始められたため、少額からロボアドを始めたい方は、WealthNaviではなく、お金のデザイン社が運営するTHEO(テオ)を選択するしかありませんでした。
しかしながら、今後はWealthNavi for ネオモバによって、1万円からWealthNaviも利用することができるようになりました。そのため、ユーザーにとってはロボアドバイザーの選択肢が増えた形となります。
SBIネオモバイル証券の口座開設がおすすめな方
【公式サイト】https://www.sbineomobile.co.jp/
以上のような特徴を踏まえると、SBIネオモバイル証券の利用がおすすめなのは以下のような方です。
- 投資の初心者の方
- Tポイントで投資をしたい方
- 少額から株式投資を始めたい方
- 1万円からロボアドバイザーを始めたい方
- スマホで取引を完結したい方
- 安い手数料で何度も取引したい方
- (追記)ひとかぶIPOに参加したい方
実際に筆者もTポイントを使って、主に中小小型株を中心にSBIネオモバイル証券で投資を行っています。もともと余ったTポイントを使って投資を行っていますので、最悪無くなっても良いので強気で投資ができるのがメリットです。
筆者の場合は株価が大きく下落した、業績不振株等を狙って投資を行っています。2019年では株式会社TATERU、2020年では大塚家具などに投資を行っています。
Tポイントを日々ためている方や少額から投資を始めてみたい方、少額から株式取引の短期トレードに挑戦したい方やロボアドバイザーを利用したい方などは、SBIネオモバイル証券の利用を検討されてみてはいかがでしょうか。
SBI証券の口座開設がおすすめな方
一方、SBI証券の利用がおすすめなのは以下のような方です。
- 多種多様な金融商品の取引をしたい方
- IPO投資に参加したい方
- NISA口座を活用したい方
- Tポイントから投資信託を購入したい方(追記)
SBI証券は、約500万人が口座開設しているNo.1ネット証券です。手数料も業界最安値水準で、取り扱いの金融商品も多く、通常の株式や投資信託だけでなく、金・銀・プラチナなどにも投資が可能です。
SBI証券でもTポイント投資が可能に
さらに、2019年からはSBI証券でもTポイントで投資信託の購入ができるようになりました。
SBI証券はSBIネオモバイル証券とは異なり、投資信託や債券、FXや先物・オプション、CFDや金・銀・プラチナなど幅広い金融商品に分散投資を行うこともできますので、様々な金融商品の投資検討をしたい方にはおすすめです。
商品ラインナップが豊富で分散投資が可能
SBI証券では、国内株式だけでなく、外国株式(米国・中国・韓国・ロシア・ベトナム・インドネシア・シンガポール・タイ・マレーシア・外国ETFなど)も取り扱いが豊富です。
筆者も米国株についてはSBI証券をメインに利用して投資を行っています。理由としては、住信SBIネット銀行の普通預金から外貨預金の米ドルを購入し(スプレッドはわずか4銭)、その米ドルをSBI証券に振替して、米国株を購入するのが一番手数料がかからないからです。
株式取引のスマホアプリが使いやすい
また、SBI証券の株式取引についてはスマホアプリも使いやすいです。筆者も日本株の株式取引では、ほぼメインで利用しているネット証券です。
ただし、以前SBI証券のアプリのシステム障害で、一時的に注文ができなかったことがありました。そのため、短期トレードを行うにあたっては、スマホのWEB画面がみやすく、アプリでも簡単に投資できるSBIネオモバイル証券の方が良いように感じました。
個別の外国株式の取り扱いが豊富なのはサクソバンク証券
【公式サイト】https://campaigns.home.saxo/
なお、個別の外国株式の取り扱い銘柄数が豊富で、取引手数料が圧倒的に安いネット証券はサクソバンク証券です。サクソバンク証券はオランダの投資銀行が母体となった、外資系のネット証券です。
サクソバンク証券であれば、取り扱い米国株6,000銘柄以上、中国株2,000銘柄以上、欧州株3,000銘柄以上と、外国株式の個別銘柄数は合計12,000銘柄以上と圧倒的に多く、自分が投資したい銘柄がほぼ確実に見つかります。
取引手数料も安いためお得なのですが、残念ながら今の所特定口座がありません。そのため、一般口座で自分で確定申告を行う方にはおすすめできる中級者以上むけの証券会社です。
IPO投資に参加するなら複数のネット証券利用がおすすめ
【公式サイト】https://www.sbineomobile.co.jp/
2019年後半からは、SBIネオモバイル証券でも、1株からIPO投資に参加することができる、ひとかぶIPOというサービスが始まりました。こちらも通常は100株単位でしか参加できないため、より少ない資金で投資ができるようになったと言えます。
IPO投資に参加する際には、ネット証券業界の口座数1位のSBI証券や2位の楽天証券に加えて、他にもいくつかのネット証券を保有しておけば、当選確率がぐんと上がります。通常のSBI証券は、完全抽選制ではなく、IPOへの申し込み金額(資金量)に応じて当選しやすくなる仕組みとなっています。
そのため、筆者の場合はIPO投資に参加する際には、いくつかのネット証券で同時に申し込みを行っています。SBI証券では資金量に応じて当選者が決まってしまいますので、完全抽選制のネット証券も併用して申し込みを行うのが王道なのです。
今後IPO投資にも挑戦していきたいと考えている方や、ネット証券自体もいくつか保有しておきたいと考えている方は、SBIネオモバイル証券と合わせて、通常のネット証券もいくつか併用されるのが良いでしょう。