未公開株クラウドファンディングは危険?リスクが低い投資先はある?

リスクヘッジ

未公開株のクラウドファンディング事業者が、近年増加しています。

未公開株のクラウドファンディング事業者というのは、正確には金融庁に認可されて正式に登録された事業者である、株式投資型クラウドファンディング事業者のファンディーノなどを指します。

今回はファンディーノを事例に、未公開株クラウドファンディングのリスクや危険性などを解説します。

株式投資型クラウドファンディングのファンディーノの特徴

ファンディーノ

【公式サイト】https://fundinno.com/

ファンディーノ』は、日本初の株式投資型クラウドファンディング事業者です。ベンチャー企業がインターネットを通じて、多くの人から少額ずつ資金を調達する仕組みを提供しています。

株式投資型クラウドファンディングを利用する企業1社あたりの年間募集金額の上限は、1億円未満です。また、投資する投資家の1社に対する年間投資上限金額は、今のところ50万円となっています。

筆者も実際にファンディーノを通じて、ベンチャー企業のnommocに投資をしています。

株式投資型クラウドファンディングの規制

株式投資型クラウドファンディングで利益を出すには、投資したベンチャー企業がM&AされるかIPOするかしか、基本的にはありません。今のところはリスクの高い投資となっているため、このような50万円の規制がなされていると考えられます。

ただし、株式投資型クラウドファンディングが欧米のように大きく普及し出せば、こちらの50万円の制限は今後上がる可能性はあるでしょう。実際にファンディーノでは2019年10月時点ですでに70件以上の案件が成約しています。

この中からは失敗する案件もあれば成功する案件も出てくるため、リスクの高い投資先もあれば、リスクが低い投資先もあると言えるでしょう。

詐欺のような案件につかまってしまうリスクが排除されている

ただし、ファンディーノなどの株式投資型クラウドファンディング事業者を使う良い点は、そもそも詐欺のような案件が排除されているという点です。「資金を投資したら持ち逃げされてしまった」など、個人で未上場企業に投資する場合に起きうるリスクは、最初から排除されています。

さらに、ネット上だけで投資から利益確定までの作業が完結しますので、煩雑な紙ベースでの契約手続きをしなくて良いのです。しかしハイリターン・ハイリスクの投資ではあるため、ファンディーノに口座開設するには、満20才・投資経験1年・金融資産300万円以上であることなどが必要です。

未公開株のクラウドファンディングは危険でリスクが高いのか?

RISK

ベンチャー企業への投資は、どうしてもハイリスクハイリターンにはなります。

投資に失敗すると投資資金の全てがなくなってしまう一方で、成功すると非常に大きなリターンを得られる場合が多いからです。例えば創業初期のメルカリ社に3億円を投資をした、上場のユナイテッド株式会社はメルカリ社の上場時に120億円ほどの利益を手にしています。

上場企業への株式投資との違い

上場企業への株式投資と、未上場企業への投資との違いを考えると、まずはすぐに株式を売却することができない点が挙げられます。

そのため、未上場企業への投資は、かなり長期での投資を行う必要があります。ただし、未上場企業への投資の方が景気動向を気にする必要がありませんし、ほったらかしの投資が行えます。

融資型(貸付型)クラウドファンディングとの違い

また、ネット上で個人投資家から集めたお金を未上場企業に貸し出し、無事返済されたら金利収入分が個人投資家に還元される『融資型(貸付型)クラウドファンディング』という仕組みもあります。

融資型クラウドファンディングであれば、貸したお金が返ってくるかどうかが重要ですが、株式投資型クラウドファンディングの場合は、企業が成功するかどうか(M&AされるかIPOするか)がポイントとなります。

リスクが抑えられたクラウドファンディングには何がある?

クラウドファンディングには色々と種類がありますが、逆にリスクが抑えられた投資先にはどのようなものがあるのでしょうか。筆者が現時点で考えられるベストな投資先を2つほどご紹介します。

貸付ファンド型クラウドファンディング(上場企業への貸付)

【公式サイト】https://funds.jp/

まずは、主に上場企業への貸付を行い、年間利回り1.5〜6%程度のリターンを狙える『ファンズ(funds)』です。ファンズの仕組みは簡単で、投資家である私たちはファンド組成企業に投資をします。

fundsの仕組み

そして、そのファンド組成企業が、主に上場企業の借り手に資金を貸付ます。その後、その資金が無事に返済されれば、私たち投資家に分配されます。

これまでのクラウドファンディングはほとんどが未上場企業への貸出となっていましたが、ファンズの場合は主に上場企業に貸出を行います。当然ながら上場企業であれば、ネット上にIR情報(有価証券報告書)なども掲載されており、より透明性が高くなっています。

投資家である私たちにとっても判断材料が多く、投資案件をしっかりと見極めやすくなっています。

不動産投資クラウドファンディング(物件評価額下落時に保証あり)

もう一つは、年間利回り8%程度を狙える、不動産投資クラウドファンディングの『FANTAS funding』です。不動産投資クラウドファンディング事業者が、複数の個人投資家から1口1万円からお金を調達し、そのお金と自己資金で不動産物件に投資をするスキームです。

このスキームの良い点は、投資した物件を売却する際に万が一物件価格が下落してしまっていても、2~3割までの下落であれば、不動産投資クラウドファンディング事業者が負担する仕組みである点です。

運用期間は1年未満であることが多いため、実際のところ売却時にそんなにも価値が目減りすることも少ないことが想定されるため、かなりリスクが抑えられた投資と考えられます。もちろん不動産市況に影響されうる投資商品ではありますが、高い利回りに対するリスクとしては通常のクラウドファンディングよりも良いと筆者は考えています。

株式投資型クラウドファンディングのユニコーンの特徴

【公式サイト】https://unicorn-cf.com/

株式投資型クラウドファンディング事業者は日本ではまだまだ少なく、調達総額も20億円程度と、欧米の10兆円以上の市場と比べるとまだまだ市場規模も小さいです。

そんな中、2019年にはファンディーノの以外の株式投資型クラウドファンディング事業者として、『ユニコーン』が誕生しました。ユニコーンは2019年から始まったサービスのため、ファンディーノほど案件実績がないのが特徴です。

ただし、ユニコーンの運営会社のメンバーには投資銀行や証券会社から金融のプロフェッショナルが集っており、今後に期待できるサービスの一つです。さらにファンディーノと異なり、金融資産は200万円以上で利用が開始できますので、若干ハードルが低くなっています。

ファンディーノと合わせて無料登録しておくことで、より多くの投資案件を吟味できるようになりますので、未公開株への投資に関心のある方は、まずは口座開設を完了させておくと良いでしょう。