【法人余剰資金おすすめ運用先10社比較】メリット・デメリットも解説

法人の資産運用

法人の余剰資金の運用先でおすすめの金融商品は何があるのでしょうか。

もちろん事業に再投資するという使い途がもっとも事業成長にとっては良いのですが、そのまま現預金を寝かしておいても仕方がないと考える時もあるでしょう。そこで今回は、法人で得た利益の使い途について、おすすめの投資先を10個ほどご紹介します。

ちなみにこれらは全部口座開設は無料で、口座維持手数料もかかりませんので、筆者は全てのサービスに口座を保有しております。

① 安定運用を目指すなら主に上場企業向けの貸付ファンド投資のファンズ


【公式サイト】https://funds.jp/

とにかく安定的に固い金融商品で運用したいものの、債券よりも利率が欲しいといった時におすすめなのがファンズ(funds)です。

ファンズはあらかじめ運用期間と利回りが決まっている金融商品で、だいたい運用期間は1年程度で、利回りは1.5%〜6%程度となっています。期間が長すぎると不安になりますが、1年程度であれば運用の検討余地はあるでしょう。

fundsの仕組み

さらに、ファンズの場合は、投資家である私たちはファンド組成企業に投資を行います。そしてそのファンド組成企業が、上場企業などの信頼性の高い借り手に貸し出しを行います。

そうしてその上場企業などの信頼性の高い借り手が、最終的に無事資金を返済すれば、その金利分の収益が私たち投資家の利益となります。2019年には餃子の王将のファンドなども組成されており、投資家向け優待などの新しいサービスも始まりました。

ファンズは運営企業の信頼性も高く、上場企業の新しい資金調達手段としても注目されていますので、筆者としては一番積極的に活用していきたい金融商品だなと感じています。

② 短期間で高利回りを狙うなら不動産投資クラウドファンディング

貯金3500万円

続いておすすめできるのが、3ヶ月で8%程度などの高利回りがある、不動産投資クラウドファンディングです。

物件価格の下落に対して2〜3割程度までは元本保証がある点が特徴的で、不動産を保有していない法人にはおすすめです。ただし、不動産投資の一種になりますので、不動産市況がよくない時には注意が必要です。

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③ 上場企業のグループ会社運営の不動産投資クラウドファンディングのリンプル(Rimple)

不動産投資型クラウドファンディング【Rimple(リンプル)】-1口1万円から不動産投資ができる

【公式サイト】https://funding.propertyagent.co.jp/

まず一番おすすめできるRimple(リンプル)は、上場企業のグループ会社であるプロパティエージェント株式会社が運営する、不動産投資クラウドファンディングです。

プロパティエージェントが自社開発した、都心に特化した高利回りの優良物件の案件を豊富に取り扱っている点が特徴です。1口1万円から投資をすることができ、投資した物件を売却する際に、万が一価格が下落していても、3割まではプロパティーエージェント側が負担してくれます。

不動産投資型クラウドファンディング【Rimple(リンプル)】-1口1万円から不動産投資ができる

そのため、投資家である私たちの元本毀損リスクは、かなり抑えられています。また、セゾンの永久不滅ポイントをリンプルコインに交換することができ、元手ゼロでのポイントからの投資も可能です。

初回の案件は半年で利回り10%と高利回りであったり、女優の真矢ミキさんをイメージキャラクターとして起用していたりと、今後の発展にも期待ができるサービスです。

④ 不動産物件の詳細を動画で確認できるCREAL(上場企業運営)

【公式サイト】https://creal.jp/

続いて、投資先の物件の詳細を動画で確認したい場合には、CREALがおすすめです。

ただし、CREALはファンタスファンディングとは異なり、物件価格のだいたい1割程度しか保証されません。もちろん案件にはよるのですが、その点は少しデメリットになります。

しかしながら、不動産投資クラウドファンディングはどれも口座開設や口座維持に手数料はかかりませんので、全部無料で口座開設をしておき、その中から案件を選ぶスタイルの方がおすすめです。

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⑤ 案件数実績が多いFANTAS funding

続いて、ファンタスファンディングは、以前から提供されている不動産投資クラウドファンディングです。

具体的には、投資先の物件が売却される際に、万が一評価額が20〜30%程度下落していたとしても、それはファンタスファンディング側が先に損失を被ってくれる仕組みが導入されています。こちらは優先出資と劣後出資の仕組みがあるからで、この点がかなり大きなメリットと言えます。

運用期間は3ヶ月から、平均8%程度と高い利回りを提供しています。ただし、最近は案件に人気が集まりすぎており、なかなか案件に投資ができないというデメリットがあります。そのためFANTAS FUNDINGはサブ口座として保有しておくくらいがおすすめです。

不動産投資クラウドファンディングについては以下におすすめを比較しつつまとめておりますので、良ければ参考にしてみてください。

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⑥ 不動産担保付きクラウドファンディングのOwnersBook(上場企業が運営)

少額からの不動産投資クラウドファンディング『OwnersBook』

【公式サイト】https://www.ownersbook.jp/

続いて、オーナーズブックは、上場企業のロードスターキャピタル株式会社が運営している不動産投資クラウドファンディングです。1口1万円から投資ができるため、幅広い年代の投資家に人気になっています。

運用期間は3〜60ヶ月程度と幅広く、都内の不動産物件から最近では海外の不動産物件にまで投資ができるようになっています。利回りは貸付型案件は平均4%程度、エクイティ型案件は平均4〜10%程度となっています。

貸付型案件の場合は、不動産担保を取得して貸付を行うため、万が一貸付先の不動産投資会社からの資金の返済が滞ったとしても、最悪不動産担保を売却することで損失が補填できるような仕組みになっています。

ただし、他の不動産投資クラウドファンディングとは異なり、価格下落保証がついている訳ではありませんので、その点は注意が必要です。

⑦ ミドルリスクミドルリターンのソーシャルレンディング

資産運用

続いて、もう少しリスクをとってさまざまな案件への投資を吟味したいという場合は、ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング )がおすすめです。ソーシャルレンディングとは、お金を貸したい人と借りたい人とのマッチングサービスです。

個人投資家である私達は、安定的に利回りを得ることができることから、近年人気の資産運用となっています。ソーシャルレンディングは、貸したお金が返ってくるかどうかが大切ですので、事業者の与信判断能力が大切になります。そんな中で過去から実績がありおすすめできるのは下記です。

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⑧ 再生エネルギー案件を取り扱う証券会社運営のクラウドバンク

Crowd Bank<クラウドバンク>をはじめよう!

【公式サイト】https://crowdbank.jp/

クラウドバンクは、証券会社が運営しているクラウドファンディング事業です。

太陽光や風力発電などの再生エネルギーの案件に投資ができたり、不動産担保つきの投資案件に投資ができたり、海外や中小企業支援案件に投資ができたりと、幅広い案件に投資ができる点が特徴です。実質的な平均利回りは約5.8%と安定的な運用を目指すことができ、運用期間もさまざまです。

TVCMも放映されており、これまでに総額2000億円以上の累計応募額の実績があるサービスですので、最初に口座開設をするソーシャルレンディング事業者としては王道と言えるでしょう。

⑨ 新興国向け社会貢献投資ができるクラウドクレジット

【公式サイト】https://crowdcredit.jp/

続いて、クラウドクレジットは、海外の新興国に分散投資をしたい方におすすめです。これまでに返済の遅延はあれど、貸し倒れ実績はありませんので信頼性の高いサービスです。

ペルーなどの南米や、東欧諸国などの案件もあり、社会貢献投資に関心のある方に適しています。利回りは12.5%などの高い案件もあり、積極的に新興国に投資を行いたい方におすすめです。

クラウドクレジットには大手総合商社の伊藤忠商事も出資しており、今後の会社としての成長性にも期待ができるサービスと言えるでしょう。

証券会社に法人口座開設をするメリットとデメリット

メリット

ちなみに、当然ながらネット証券でも法人は口座を開設できますので、証券会社に口座開設を行なって、株式投資や投資信託に投資をする方法もありうるでしょう。

ただし、筆者の感覚としては証券会社での法人口座開設の方が、上記のようなクラウドファンディング事業者やソーシャルレンディング事業者よりも、口座開設が難しい傾向にあるように思われます。

また、ネット証券で法人口座を開設したとしても、税金のメリットはそこまで受けれません。と言いますのも、個人の方が税金が安くなる可能性が高いからです。

個人で株式投資や投資信託で得た利益は申告分離課税だが法人は異なる

そもそも、個人で株式投資や投資信託への投資を行なった場合、利益にかかる税金は一律20.315%の申告分離課税です。

他の所得と合算する必要もなく、どんなに利益が出ても20.315%の税金ですみます。一方で、法人の場合は実効税率が30%程度となりますので、この点は法人の方がデメリットがあります。

損失の繰越年数は個人よりも法人の方が長いのでメリット

一方で、法人と比べた時の個人のデメリットとしては、損失の繰越年数です。個人で損失が出た時には最大3年間ほどしかくりこせないため、この点は7年間の繰越ができる法人が有利です。

他には、法人口座を保有することでIPOの抽選に個人でも法人でも投資をすることができたり、株主優待の二重取りができたりはします。ただし、本当に運用やトレードをメインに行う法人でないのであれば、税金的にはそこまでネット証券はおすすめできないかなとは思われます。

10 仮想通貨取引所(但し法人口座で投資するデメリットに注意)

Bitcoin

最後に、仮想通貨の取引所です。

筆者の場合も、近年話題になった仮想通貨へ法人から投資を行なっていました。2017年はかなり仮想通貨市場のパフォーマンスがよかったのと、大きく利益が出た時に個人の最高税率(55%)よりも、法人の実効税率(30%程度)の方が安かったからです。

ただし、2019年からは税制が変わってしまい、正直なところ今は個人で保有していた方がメリットが大きい状態です。2019年から法人に対しては、仮想通貨の含み益が課税されることになりました。

法人の実効税率はだいたい30%程度ですので、利益確定していないにもかかわらず決算期に税金がかかってしまうという、なんとも厳しい法律が確定してしまいました。そのため筆者は一旦長期保有の仮想通貨は売却し、今では法人は短期保有のみ、個人で長期保有するようにしました。

個人であればそのまま長期保有しておけば特に税金はかかりませんので問題ないのですが、法人の場合は毎年決算期を意識した資産運用をしなければなりません。仮想通貨は価格変動も大きく、長期での保有を志向される方には法人での保有はそこまで今はオススメできない状態です。

会社の利益から創出された現預金の使い途のおすすめ

メリット

以上を踏まえると、基本的に法人の投資でおすすめは、個人で投資をすると利益が雑所得に計上されてしまう、クラウドファンディングやソーシャルレンディングというのが筆者の結論です。

そもそも法人の運用部分でそんなにリスクを取るのも微妙ですし、リスクをとるのであれば事業に再投資をしたり、新規事業に使う費用に回した方が良いのではないかなとも思います。

そのため、個人的にもっともおすすめの投資先は、景気動向にも左右されないファンズ(funds)です。「来年や数ヶ月先までこのまま現預金を放置していてもな…」と感じた時には、安定的なりまわりを得られる資産運用を検討されてはいかがでしょうか。