初心者におすすめの米国リートETFはどれかということで、コロナショック後の状況も踏まえつつご紹介します。
今回は米国リートをまだ保有していない初心者で、これから海外含めたリートに分散投資をしたい方に向けて書きます。筆者も実際に吟味検討して米国リートに投資を行っています。
なお、米国リートETFよりもさらに高い利回りを享受したい方には、年利8%以上の利回りが狙える不動産投資クラウドファンディングがおすすめです。
おすすめの米国リートETF3つの特徴を比較
まず、著名でおすすめできる米国リートは以下の3つです(分配利回りなどは2020年7月時点)。
- 【IYR】iシェアーズ 米国不動産 ETF(分配利回り3.32%、経費率0.42%)
- 【RWR】SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETF(分配利回り4.13%、経費率0.25%)
- 【XLRE】不動産セレクト セクターSPDR ファンド(分配利回り3.21%、経費率0.13%)
筆者の場合はそれぞれのリートの購入はSBI証券を利用しています。
住信SBIネット銀行の普通預金から米ドルの普通預金に振替を行い、そちらからSBI証券にドル資金を振替、そちらから投資を行うスタイルです。住信SBIネット銀行を保有しているのであれば、外貨預金積立でスプレッド安く米ドルを保有することができます。
スプレッドは1米ドルあたり2銭ですが、住信SBIネット銀行であれば、時折外貨預金のキャンペーンをやっており、スプレッドがかからないこともありますので、米ドルを為替手数料なしでコスパよく保有することができます。
おすすめ①【IYR】iシェアーズ 米国不動産 ETFの分析
まずiシェアーズ 米国不動産 ETF(iShares US Real Estate ETF)は、Dow Jones U.S. Real Estate Indexを対象指数とし、対象株価指数に連動する投資成果を目指したREITです。こちらのファンドの投資顧問はBlackRock Fund Advisors(BFA)です。
チャート上は2019年初頭ぐらいまで回復している状況です。安定的なパフォーマンスを狙うのであれば、こちらのリートが一番王道でおすすめです。
おすすめ②【RWR】SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETFの分析
続いて、SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETF(SPDR Dow Jones REIT ETF)は、Dow Jones U.S. Select REIT Index(同指数)のリターンと特性に連動することを目指したREITです。
RWTの価格は2014年〜2015年ぐらいまでの水準になっています。筆者としては今から投資をするなら「RWR」が割安で良いかなと考えました。ただし、その分リスクもあります。
こちらのファンドは、地域的ショッピングモール、アパート、ヘルスケア、オフィス、ストリップセンター、産業用セルフストレージ、ホテル、総合ホテル、総合・混合産業施設・オフィス、プレハブ住宅及び工場直販店などの分野に投資しています。
これだけ分散していれば、ホテルなど打撃を受けているもののもあるものの、中長期的に見れば回復していく可能性が高いのではないかなという想定です。
おすすめ③【XLRE】不動産セレクト セクターSPDR ファンドの分析
不動産セレクト・セクターSPDRファンド(Real Estate Select Sector SPDR Fund)は、S&P不動産セレクト・セクター指数の値動きと利回り(手数料および経費控除前)に概ね連動する投資成果を上げることを目標としたREIT ETFです。
こちらはIYRと同じく2019年ぐらいの水準にまで戻っています。そもそものチャートが横ばいなので、そこまで値上がり益は見込めないような印象を受けます。
日本円で米国リートに直接投資するなら【1659】iシェアーズ 米国リート ETF
日本円から直接投資を行いたい場合は、【1659】iシェアーズ 米国リート ETFがおすすめです。
米国の不動産投資信託証券(REIT)で構成される「FTSE Nareit Equity REITs インデックス(TTM 円建て)」との連動を目指すETFで、国内組成のETFであり、内国株式と同様に日本円から簡単に取引ができます。
SBI証券や楽天証券の株式投資のところで、単純に「1659」と打てば該当の銘柄も出てきます。ただし、分配金利回りは2.74%で信託報酬は0.20%となっていますので、分配利回りは米国ETF REITよりも低い傾向にあります。
そのような比較を踏まえると、他の投資候補として上がるのは「2515 NEXT FUNDS外国REIT・S&P先進国REIT」かと思われます。
【2515】NEXT FUNDS外国REIT・S&P先進国REIT(除く日本・H無)
「2515 NEXT FUNDS外国REIT・S&P先進国REIT」は、分配利回り3.56%、信託報酬0.187%と分配利回りはそれなりに高く、信託報酬も低いです。さらに、直近はコロナの影響で基準価格は大きく値下がりしています。
こちらのREITは、海外REITインデックス マザーファンド受益証券および「S&P先進国REIT指数(除く日本、配当込み)」の採用銘柄の不動産投資信託証券を主要投資対象とし、日本円換算した対象指数に連動する投資成果を目指すETFです(詳細はこちら)。
S&P先進国RETI指数は、長期的には上昇している指数です。さらに、マンスリーレポートを確認すると、以下のような国・地域別配分比率になっています。
- アメリカ:75.4%
- オーストラリア:6.4%
- イギリス:5.0%
- シンガポール:4.2%
- カナダ:1.8%
- その他の国・地域:7.1%
- その他の資産:0.7%
そのため、基本的には米国不動産に投資をする形です。また、資産内容は専門不動産、工業用不動産、住宅用不動産、店舗用不動産、オフィス不動産、その他と分散されていることから、今後の回復に期待できるのかなとは思われます。
まだ上場後の実績があまり無い点、純資産の金額も大きく無い点などが気がかりではありますが、日本円から直接投資をしたい方には可能性があるREITとは言えるでしょう。他にも、オーストラリアに投資を行うのであれば「上場インデックスファンド豪州リート(S&P/ASX200 A-REIT) (1555)」なども候補に上がるかと思われます。
筆者の場合は自分のポートフォリオの観点から、SBI証券や楽天証券で日本円から直接「2515」を購入しても良いかなと思いましたので、試しに100株ほど購入しようかと思います。大体100株ですと、年間3,000円程度の配当収入になりそうです。
今後も調子がよければ積立投資の候補となるかなと思いますので、長い目でみて投資していこうかなと思います。
【2020年12月追記】日本のJREITの銘柄ランキングでは利回り6%超えも
順位 | 証券コード | 投資法人名 | 運用資産 | 価格騰落率 | 分配金利回り | NAV倍率 | 時価総額(百万円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3492 | タカラレーベン不動産投資法人 | -27.10% | 6.49% | 0.80 | 41,301 | |
2 | 3468 | スターアジア不動産投資法人 | -16.03% | 6.39% | 0.85 | 81,543 | |
3 | 3451 | トーセイ・リート投資法人 | -15.07% | 6.37% | 0.81 | 37,626 | |
4 | 3476 | 投資法人みらい | -33.42% | 6.34% | 0.77 | 63,414 | |
5 | 3470 | マリモ地方創生リート投資法人 | -11.62% | 6.11% | 0.85 | 17,421 | |
6 | 2971 | エスコンジャパンリート投資法人 | -7.94% | 6.00% | 0.98 | 32,486 | |
7 | 8975 | いちごオフィスリート投資法人 | -34.41% | 5.85% | 0.84 | 109,252 | |
8 | 3290 | Oneリート投資法人 | -26.63% | 5.82% | 0.89 | 60,025 | |
9 | 3296 | 日本リート投資法人 | -21.21% | 5.74% | 0.96 | 163,775 | |
10 | 3459 | サムティ・レジデンシャル投資法人 | -5.67% | 5.68% | 1.04 | 68,022 |
ちなみに、2020年12月時点で日本のJREITの状況を確認してみると、分配利回りが6%以上の銘柄が結構あることを確認できました。インカムゲインを目的としたポートフォリオを作っている人は、結構ポートフォリオの一部に高い利回りのJREITを組み込んでいる方が多い印象があります。
筆者もキャピタルゲイン狙いで投資した個別株が上がりすぎた場合は、利益確定してこのようなリートに投資をしていくのも一つの資産運用の方法かと考えています。米国優良株の代表格であるP&Gやジョンソンエンドジョンソンなども、利回りは3%に届かない程度です。
安定的に保有することはできるものの、分配金利回りが6%を超えてくると単純に2倍のインカムゲインとなりますので、この点はしっかりと検討した方が良いと考えています。
リートの不透明性が気になる方には不動産投資クラウドファンディングがおすすめ
但し、リートの場合はどうしても投資先や運用者の不透明性が残ります。
リートの投資先の不透明性が気になる方には、投資先の詳細を把握できる不動産投資クラウドファンディングを利用されるのがおすすめです。利回りはリートの6%よりも更に高くなっている案件も多数存在し、中には8〜14%程度の利回りの案件もあります。
但し、不動産投資クラウドファンディングの得られた利益は雑所得になりますので、所得税の税率がかかります。所得4000万円以上の方にとっては、所得税の税率が45%にまで上がってしまいますのでリートの方がおすすめではありますが、それ以外の方には不動産投資クラウドファンディングもおすすめできます。
上場企業が運営するオーナーズブックはこれまで元本毀損なし
【公式サイト】https://www.ownersbook.jp/
不動産投資クラウドファンディングのオーナーズブック(OwnersBook)は、1口1万円から不動産に投資ができるサービスで、年利6%程度の案件も取り扱っています。
オーナーズブックは東証マザーズ上場企業がサービス運営しており、信頼性も高いサービスで、これまでに取り扱った案件では元本毀損もありません。具体的には、貸付型とエクイティ型の案件を取り扱っています。
① 貸付型の案件の仕組み
貸付型案件は、オーナーズブックが個人投資家からクラウドファンディングで集めた資金を使って、お金を借りたい企業に対して不動産を担保にとって融資をする案件です。
投資家である私たちは、融資に対する利息と元本をオーナーズブックから配当として受け取ります。ここでのポイントは、不動産担保を取得して貸し出しを行う点です。
そのため、万が一貸付先から返済が滞った場合は、取得した不動産担保を売却することで、ある程度の損失を補填することができるのです。こちらの案件が、オーナーズブックの主流案件と言えます。
② エクイティ型の案件の仕組み
一方で、エクイティ型の案件は、オーナーズブックが個人投資家からクラウドファンディングで集めた資金を使って、単数または複数の特別目的会社(SPC)を経由して、不動産信託受益権を購入する案件です。
投資家である私たちは、物件の運用中の賃料収入や不動産信託受益権の売却による売却益を、オーナーズブックから配当として受け取ります。後者のエクイティ型の方がよりリスクが高い分、リターンも高くなります。
このような不動産投資クラウドファンディングには、今では色々とサービスが増えて案件数も豊富になってきていますので、JREIT以外の不動産投資案件をポートフォリオに組み入れい時にはおすすめの投資先です。