未公開株(未上場株・非上場株)へ投資する際のメリットとデメリットには、一体何があるのでしょうか。今回は実際に複数の未上場企業へ投資を行っている筆者が、その経験も踏まえて感じたメリットとデメリットをお伝えします。
なお、現代であれば金融資産が300万円以上あり投資経験が1年以上ある方であれば、株式投資型クラウドファンディングの仕組みを使って、簡単にベンチャー企業に投資が可能です。要はインターネットを通じて、簡単にベンチャー企業への投資を行うことができるのです。
筆者も実際に日本初の株式投資型クラウドファンディング事業者ファンディーノを通じて、未上場企業の株式会社nommocにも投資を行っています。
未上場株(非上場株)に投資する一番のメリットはハイリターン
まず、未上場株に投資をする一番のメリットは、とてつもなく大きく儲かる可能性がある点です。
例えば、今では1兆円を超える時価総額をもつ「Uber」に投資をしたジェイソンカラニスなどは、未上場企業であるUberの初期に約2万5000ドルを投資したことで、その金額が3億6000万ドルにも膨らんだようです。
このような事例は「エンジェル投資」と呼ばれ、特にアメリカではスタートアップにアーリー投資をすることで、その価値が1万倍以上に上昇することは何度もありました。
日本でも最近は上場企業のユナイテッド社が初期のメルカリに3億円ほどを投資し、上場後に株式を売却することで約120億円もの利益をあげていました。このように、日本でもスーパーハイリターンの可能性があるのが、未上場企業への投資なのです。
その他の細かいメリットとしては、例えば下記が挙げられます。
上場企業ではなく未上場企業へ投資するメリットとは?
- 上場廃止になるリスクなどがない
- 日本の景気動向をあまり気にしなくて良い
- 日々の株価変動を気にしなくて良い
- 申告分離課税が適応されるため利益には20.315%の税率で済む
- 未上場企業のリアルな情報が手に入る
- 資産運用のポートフォリオの分散になる
上場企業の株式に投資をした場合、どうしても日々の株価の変動などが気になってしまうこともあります。ですが、未上場企業への投資の場合、そもそも最終出口がM&AやIPOぐらいしかありませんので、基本的に一度投資をしたらそこまで気になりません。
大切なのは投資した未上場企業が成功するかどうかですので、日々の株価変動を気にしなくても良いですし、実際のところ日本の景気動向もそこまで気にする必要はありません。さらに、他の金融商品を持っていた場合、ポートフォリオの分散にもなります。
一方で、未上場企業に投資をする場合、下記のようなデメリットもあります。
未上場株(非上場株)に投資するデメリットや注意点
まず、どんな投資にもリスクがあるため元本保証でない点は仕方ないですが、それに加えて未上場企業へ投資する場合は、情報が少ないことが多いです。
IRなどもない場合がほとんどですので、少ない情報で投資判断を決める必要があります。また、一度投資をすると、上場株と比べるとすぐに現金化することは難しいです。
さらに、投資をする際には契約手続きが必要になりますので、それなりに投資をするまでに時間もかかります。加えて、そもそも投資できる相手が信頼できる相手でないと、詐欺のように騙されてしまうこともあるかもしれません。
未上場株(非上場株)に投資するデメリットを回避する方法
そんな未上場株に投資するデメリットを回避する方法が、株式投資型クラウドファンディングの利用です。
株式投資型クラウドファンディングとは、未上場のベンチャー企業がインターネットを通じて、不特定多数の投資家から1億円を上限として資金調達する方法です。日本初の株式投資型クラウドファンディングには『ファンディーノ』があり、筆者も口座を保有しています。
投資家側は、株式投資型クラウドファンディング事業者のサイトを通じて、1社50万円まで投資をすることができます。株式投資型クラウドファンディングには、1社50万円までしか投資ができないという上限はありますが、以下のメリットがあります。
株式投資型クラウドファンディングのメリット
- あらかじめ企業として信頼できる案件に投資ができる
- 面倒な契約手続きなどを事業者が代行してくれる
株式投資型クラウドファンディングのサイトに掲載される案件は、事前に運営業者が審査をしているため、詐欺のような案件が掲載されることはありません。
そのため、もちろん投資先のベンチャー企業が成功しない可能性はあるものの、資金を振込したら持ち逃げされるなどのリスクはないと言って良いでしょう。
個人で未上場株(非上場株)に投資する場合、どうしても最低限の相手との一定の信頼関係が必要となります。そのため、有名なエンジェル投資家などでない限りは、投資案件がそんなに頻繁に見つかるものでもありません。
一方で、株式投資型クラウドファンディング事業者であるファンディーノなどのサービスを使えば、毎月新しい案件がサイトに掲載されるため、その度に投資を吟味することができます。また、ファンディーノの場合はメール通知もしてくれます。
株式投資型クラウドファンディングNo.1のファンディーノとは
【公式サイト】https://fundinno.com/
『ファンディーノ』は2016年に始まった日本初の株式投資型クラウドファンディングサービスで、ベンチャー企業の累計の資金調達額は20億円以上になります。筆者もファンディーノを利用して実際に案件に投資をしていますが、毎月新しい案件がメールベースで送られてきますので、見るのが楽しみになっています。
ファンディーノは口座開設手数料や口座維持手数料などはかからず、投資をする際の取引手数料なども無料です。そのため、投資家である私たちにとっては、とても使いやすくなっています。
ただし、ファンディーノを利用できるユーザーは、満20才以上で金融資産300万円以上、投資経験1年以上の投資家のみとなっています。ハイリスク・ハイリターンの投資のため、ある程度利用にハードルが設けられています。
ですが、未上場株への投資に関心のある方は、ファンディーノは人気の案件は募集が始まるとすぐに埋まってしまうため、あらかじめ無料の口座開設はしておくと良いでしょう。
株式投資型クラウドファンディングが利用できない場合は…
株式投資型クラウドファンディングの利用ハードルが高いと感じた方は、ネット証券でIPO投資に参加するのも一つの手でしょう。
IPO投資は、「Initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、未上場企業が東証マザーズ市場などに上場することで、一般投資家に株式を売却して資金調達することをさします。
この株式上場の際に、通常は事前にネット証券からIPO投資という形で、未上場企業の上場前に株式を買い付けることができます。IPOした新しい銘柄は価格が上昇することが多いため、その際に保有した株式を売却することで、売却益を得ることができるのです。
近年IPO投資は人気になってきており、申し込みは抽選のネット証券が多いため、なかなか当たりづらくなっています。もし今後IPO投資に申し込みたいという方は、事前にいくつかネット証券に口座を開設しておくのが無難でしょう。
下記に大手ネット証券のIPO取り扱い数や抽選スタイルなどをまとめましたので、IPO投資にチャレンジしてみようという方は参考にしてみてください。
大手ネット証券のIPO取り扱い数と抽選スタイルの一覧
証券会社(公式HPへ) | 取り扱い数(2018年) | 抽選スタイル | 備考 |
SBI証券 | 86社 | 資金量が多いと有利(一部抽選) | 外れるとIPOチャレンジポイントが貰える |
マネックス証券 | 50社 | 100%完全平等抽選 | 米国株投資やトレードステーションが良い |
楽天証券 | 11社 | 100%完全平等抽選(申込数上限あり) | NISA口座は利用不可なので注意 |
ライブスター証券 | 3社 | 100%完全平等抽選 | 取引手数料が業界最安値水準 |
GMOクリック証券 | 1社 | 100%完全平等抽選 | 貸株サービスの金利が高いのがおすすめ |
DMM株 | 2019年より開始 | 100%完全平等抽選 | 取引手数料が安く今後に期待できるサービス |