ソーシャルレンディング業界の中でも、大手ネット証券のSBIグループが運営している「SBIソーシャルレンディング」についてご紹介します。
SBIソーシャルレンディングのインターネット上の評判は、なかなか良いように見受けられます。
ですが、SBIソーシャルレンディングの実際の口コミ、貸し倒れ状況や貸し倒れリスク、会社としての信頼性などを、筆者の経験も踏まえてお伝えします。
SBIソーシャルレンディングの貸し倒れ状況やリスクは?
まず、SBIソーシャルレンディングの主なリスクは、貸し倒れリスクです。SBIグループという大手企業が運営していますので、業者の倒産リスクはさすがに低いと考えて良いでしょう。
この貸し倒れリスクに関しては、以前「個人向け貸し出し」では貸し倒れが発生しました。
ですが、それらは現在では取り扱っていないファンド案件です。そして、法人(企業)向け貸し出しでは貸し倒れゼロです。
ですので、SBIソーシャルレンディングを利用する際は、法人向け貸し出しの案件を利用された方が良いでしょう。
SBIソーシャルレンディングのファンドの種類や注意点
現在のSBIソーシャルレンディングは、「個人向け貸し出し」だけではなく、「事業者向け貸し出し」の案件も多数取り扱っています。
具体的には、SBIソーシャルレンディングは下記4種類に分類できます。
- 不動産担保ローン事業者ファンド
- 証券担保ローンファンド
- カンボジア技能実習生支援ローンファンド
- オーダーメード型ローンファンド
これら4種類のファンド案件を確認してみて、一番固い投資案件となるのは、①不動産担保ローン事業者ファンドと考えられます。
何故かというと、事業者向けの貸付であり、かつ担保として不動産をおさえているからです。
不動産を担保として抑えているということは、万一貸付先の事業者から返済されなかったとしても、担保である不動産を売却することで、資金回収をはかることができます。
ですので、実質的なリスクはかなり低いと言えます。なお、この資金回収をはかれるという点では、②証券担保ローンファンドに関しても、有価証券を売却することで資金回収できる可能性はあります。
ですが、株式などの有価証券の場合は、価格変動が大きいです。そのため、資金回収をはかろうとした際に、市場環境によってその株式の価値が低下している場合もあります。その場合は、当初想定したようには、資金回収ができなかったりすることもあるでしょう。
また、こちらの証券担保ローンファンドも「個人向けの貸し出し」に該当します。
個人向け貸し出しの案件には注意が必要
個人向けの貸し出しは、事業者向けよりも投資リスクは高いと考えておくべきです。実際に、欧米のソーシャルレンディングでも、個人向け貸し出しのデフォルト率は高くなっています。
日本初のソーシャルレンディング事業者「maneo」も、以前は個人向け貸し出しにおいては「貸し倒れ」がおきていました。ですが、「maneo」も現在は個人向け貸し出しではなく、全案件「企業向け貸し出し」に完全にシフトしています。
その結果、貸し倒れ率が劇的に下がったのです。このような日本のソーシャルレンディング業界における歴史的背景を鑑みると、SBIソーシャルレンディングを利用する際は、なるべく企業向け案件を利用した方が良いということが言えます。
一方、その点に注意すればSBIソーシャルレンディングは大企業がバックに付いていますので、利用者側としては安心感があります。
SBIソーシャルレンディングの実績や口コミは?
当社は、2017年3月末におけるソーシャルレンディング事業の融資運用残高が111億円となり、100億円を突破いたしましたのでお知らせいたします。
なお累計融資実行額は245億円超、投資家登録申込者数は15,000人超となっております。
続いて、「SBIソーシャルレンディングは実際にどれぐらい使われているのか?」という実績に関してお伝えしますと、2017年には上記のニュースリリースが出ています。
すでに15,000人超もの投資家が利用しているという点は、安心できます。続いてソーシャル上の口コミですが、基本的にはポジティブな口コミが多いです。
SBIソーシャルレンディングに関するポジティブな口コミ
昨日SBIソーシャルレンディングから分配金が入りました。4,147円でした。これで今月の分配金合計額30,000円超えました^^ pic.twitter.com/Bj30PjQZux
— Nadia@投資ブログ運営中🗽 (@Nadia05085936) 2017年8月15日
最近話題のソーシャルレンディング。親会社の信頼性を第一に、第二に申し込みによるポイント交付とか額面の高利に目を奪われて、2社ほど申し込んでしまった。
クラウドクレジットとSBIソーシャルレンディング。— asakaze-fuji (@asakaze2425) 2017年5月28日
SBIソーシャルレンディングには、SBIグループという大手が運営している安心感はあります。
また、2011年から事業を運営しているためノウハウもありますし、大手ということもあり出金手数料が無料、各種キャンペーンも豊富であったりする点なども評価できるでしょう。
SBIソーシャルレンディングに関するネガティブな口コミ
一方ネガティブな口コミに関してですが、インターネット上ではそこまでネガティブなものは特段見かけられませんでした。
ですが、基本的にソーシャルレンディングの場合は1社を利用すると言うよりは、リスク分散や分散投資の観点から、何社かに口座を開設される方が多いようです。
実際に筆者もリスク分散の観点から、複数のソーシャルレンディング会社を利用しています。なぜなら、ソーシャルレンディング業者によって特徴が異なるからです。
複数のソーシャルレンディングを利用するのがリスク分散に繋がる
上場企業が運営するOwnersBook
【公式サイト】https://www.ownersbook.jp/
例えば、上場企業が運営する不動産特化型クラウドファンディングOwnersBookは、期待利回りは4〜6%程度と低くなりますが、サービス開始以来の貸し倒れ実績は0です。
貸付型案件には不動産担保がついているため、硬い投資をしたい方にはおすすめのサービスです。万が一貸し出しした資金が返済されなくとも、取得した担保を売却することで損失を補填することができるからです。
海外投資ができるクラウドクレジット
【公式サイト】https://crowdcredit.jp/
他にも、伊藤忠商事が出資するクラウドクレジットは、海外の新興国案件に特化しているため、平均利回りは10%以上となっています。
その分リスクも高くなるようには思われますが、こちらもこれまでのデフォルト実績は0件です。今現在の資産運用ポートフォリオに新興国がない場合は、クラウドクレジットをポートフォリオに加えるのは一つの方法です。
SBIソーシャルレンディングも、平均利回りは2.0%〜7.0%と利回りは低くなっていますが、その分クラウドクレジットなどよりもリスクが低い投資先に投資をしているとは言えるでしょう。
従って、自分のリスク許容度や運用スタイルに応じて、自分に最適な「案件」に投資するのが良いと言えます。
SBIグループの会社としての信頼性は?
続いて、SBIソーシャルレンディング株式会社の会社概要を確認しますが、当然第二種金融商品取引業などの金融庁登録は済ませており、しっかりとした事業者であることが確認できます。
SBIソーシャルレンディング株式会社は、SBI FinTech Solutions株式会社の100%子会社です。
そして、SBI FinTech Solutions株式会社はどんな会社かと言いますと、SBIグループが77.5%を出資している子会社です。
これだけの出資比率がありますので、SBIソーシャルレンディング株式会社の信頼性は、SBIグループの信頼性とほぼ同義とみなして良いかと思います。
ですので、総合的な会社としての信頼性は高いと言えるでしょう。
SBIソーシャルレンディングを利用するメリットとデメリット
ここまで確認してきて、SBIソーシャルレンディングを利用する一番のメリットは、事業者としての安心感です。
総合金融グループのSBIグループ運営の安心感がある
日本のソーシャルレンディング事業者の中でも、唯一大企業が運営しています。
SBIグループの金融サービスは筆者も長年利用していますが、SBIソーシャルレンディングに限らず、SBI証券やSBIFXトレードなども、各種手数料が安くて使いやすいのも特徴の一つです。
クラウドクレジットなどよりも全体的に期待利回りは高くない
一方、一番のデメリットは、伊藤忠商事が出資するクラウドクレジットなどと比べると、年利10数%を超える高利回りな案件は多くないという点です。
また、SBIソーシャルレンディングに関しては、時折「期限前償還」が発生することがあります。期限前償還とは、当初予定したよりも早く元本が返済されてしまうことを指しますが、そのため当初よりも想定利回りが下がってしまうこともあるのです。
こちらはもちろん元本が毀損する訳ではありませんが、この点はマイナスポイントとして捉えておいても良いでしょう。
SBIソーシャルレンディングに関する評価のまとめ
以上、ここまでSBIソーシャルレンディングの貸し倒れリスクや信頼性、メリットやデメリットなどをご紹介してきましたが、SBIソーシャルレンディングは利用しても問題ない業者と言えるでしょう。
他のソーシャルレンディング事業者と比べると年間利回りは若干低くはなるものの、大手SBIグループの信頼性は高いです。
ソーシャルレンディング投資をすでにされている方も、これから始めてみようという方も、分散投資の一つとして、ポートフォリオの一つにSBIを加えておいても良いのではないでしょうか。
SBIソーシャルレンディングの口座開設方法(無料)
SBIソーシャルレンディングの口座開設方法は簡単です。まずは公式サイトから、登録ページにとびます。
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ソーシャルレンディングは、ミドルリスクミドルリターンの新しい資産運用として、近年人気が出てきています。ポートフォリオの一つとして、今のうちから活用してみてはいかがでしょうか。