エンジェル投資というと、一部の限られた投資家しかできないような投資の響きに聞こえますが、最近ではインターネット上から一般個人でも、クラウドファンディングを通じてエンジェル投資が可能になっています。
具体的には、株式投資型クラウドファンディングのファンディーノを利用することで、ネット上から今後成長が見込まれるベンチャー企業に投資を行うことができます。筆者もファンディーノには口座開設をして、実際にベンチャー企業のnommocに2018年にエンジェル投資を行っています。

【公式サイト】https://fundinno.com/
実際に投資をしてしまうとあとは定期的にくる事業の進捗報告のメールを見るぐらいで、あとは殆どやることがありません。上記のような実際の筆者の経験を踏まえて、具体的なエンジェル投資のやり方や、株式投資型クラウドファンディングのメリットやデメリット、利用がオススメな方などをご紹介します。
目次
株式投資型クラウドファンディングでのエンジェル投資のやり方

【公式サイト】https://fundinno.com/
ファンディーノを通じたエンジェル投資は簡単で、公式サイトから投資家登録を行い、実際に案件の募集が始まったら応募して、無事購入することができたらエンジェル投資家になることができます。ただし、ファンディーノなどの株式投資型クラウドファンディングには、法律上1社50万円までという投資上限が設けられています。
投資を受けるベンチャー企業側も、年間1億円未満という上限が設けられています。今後規制はもう少し緩くなっていく可能性はありますが、今のところは投資家保護の観点から投資上限があるのが、通常のエンジェル投資との違いです。
ファンディーノを通じてエンジェル投資を行うことで、煩雑な契約手続きを行う必要もなく、また、詐欺のような投資案件は最初から排除することができます。ファンディーノは口座開設手数料や口座維持手数料はかかりませんので、これからエンジェル投資を始めようとしている方は、まずは案件検討のために口座を保有されておくのがおすすめです。
株式投資型クラウドファンディングのメリット

事業者による一次審査がある
株式投資型クラウドファンディングのメリットとしては、詐欺のような案件が掲載されないというメリットがあります。もちろん儲かる投資先もあれば、事業に失敗してしまう投資先が発生することは否めなません。
でうすが、最初から反社会的勢力であったり、怪しい投資先については株式投資型クラウドファンディング事業者が一次スクリーニングしていますし、投資をしたものの資金を持ち逃げされるリスクなどもないのも安心です。
契約手続きの面を心配しなくて良い
また、契約書も事業者側が作成してくれています。株式投資型クラウドファンディング事業者は金融庁に登録される必要がありますので、そもそもの事業者の信頼性が担保されています。
投資案件が継続的に掲載される
ファンディーノの場合は毎月新しい案件がサイトに掲載されますので、そちらから案件の内容を検討して、投資判断を下すことができます。
あらかじめある程度の情報が整理されて掲載され、投資金額は12.5万円〜50万円の幅で投資をすることができます。毎回新しい案件が掲載されると、メールで連絡がきますので、次の案件の掲載を楽しみに待つことができます。
利益が出ても申告分離課税で良い
株式投資型クラウドファンディングは、無事投資先がM&AやIPOされた時に利益を得ることができます。その際にかかる税金は、通常の株式投資と同じように、申告分離課税で一律20.315%ですみます。
例えばソーシャルレンディングや仮想通貨投資などでは、得られた利益が雑所得に該当します。雑所得に該当する場合、給与所得などの他の所得と合算され、それに対して所得税の税率がかかります。
所得税の税率がかかる場合、最高で所得税45%+住民税10%と55%の税金がかかってしまいますので、かなりの利益が出ても半分以上が税金で持ってかれてしまいます。そのような心配がないのがエンジェル投資の良い点でしょう。
株式投資型クラウドファンディングのデメリット

ハイリスク・ハイリターン
まず、かなりのハイリスクハイリターンの投資になります。
これはデメリットでもありメリットでもありますので、一概にマイナスとは言えませんが、当たれば大きな利益を得ることができるけれども、その分損失が出る可能性があることは理解しておいた方が良いでしょう。
すぐに換金することができない
続いて、株式投資型クラウドファンディングに限らず、エンジェル投資というものがそうですが、一度投資をしたらしばらくは換金できません。
なぜなら、基本的に未公開株を換金できるタイミングというのは、M&Aされた時や、IPOが行われた時です。特にIPOをベンチャー企業が達成するためには、数年単位の時間が必要なのが一般的ですので、長期投資と捉える必要があります。
そのため、基本的に余剰資金で長期投資をしたい方や、ベンチャー企業を応援したい方などにおすすめの投資商品です。
投資上限や利用者制限がある
続いて、投資上限が50万円と決まっている点もデメリットです。さらに、株式投資型クラウドファンディングは利用できる人が限られています。例えばファンディーノの場合は、下記のような方は利用することができません。
- 1年以上の、有価証券の売買等の投資経験がない方
- 金融資産を 300 万円以上保有されてない方
- 満 20 歳未満の方及び満 80 歳以上の方
- 投資資金の性格が生活費・借入金・使途確定金等の方
- ご本人様以外でお申込みをされる方
- 暴力団員、暴力団関係者あるいは総会屋等の反社会的勢力に該当される方
- 海外にお住まいの方、海外に居住地国を有する方等
- 米国市民(米国籍保有者)、グリーンカード保有者又は米国居住者の方
- 既に当サイトの投資家登録をされている方(重複登録は不可)
- 成年後見人制度に係る家庭裁判所の審判を受けた方等
- 外国政府等において重要な公的地位にある(あった)方及びその家族の方
- 法人の方
まだ金融資産が300万円以上ない型は、次にご紹介する株式投資型クラウドファンディング事業者のユニコーンを利用されるのが良いでしょう。
株式投資型クラウドファンディング事業者ユニコーンは金融資産200万円以上で登録可能

【公式サイト】https://unicorn-cf.com/
2019年に始まった株式投資型クラウドファンディング事業者の株式会社ユニコーンは、2020年3月に第3号案件の掲載を開始しました。まだまだファンディーノに比べると案件数の掲載は少ないですが、ユニコーンはファンディーノと異なる側面もあります。
ファンディーノとユニコーンの違いは、ユニコーンは1社5万円から投資ができる点です。ファンディーノは大体10万円程度からとなっています。さらに、ファンディーノが投資経験1年以上かつ金融資産300万円を保有していないと利用できないのに対して、ユニコーンは金融資産200万円から投資を始めることができます。
そのため、まだ金融資産が300万円以上なく、もう少し少額からエンジェル投資を始めたい方には、ユニコーンはおすすめの事業者です。