クラウドバンクは証券会社の日本クラウド証券が提供する、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の一つです。
筆者のクラウドバンク利用の体験談と使った感想

筆者は2015年に、東京国際フォーラムで開催されていたクラウドバンクの無料セミナーに参加したことがあるのですが、当時はまだまだクラウドファンディングがメジャーではありませんでした。
当時はクラウドバンクが行政処分を受ける以前の社長であった大前和徳氏自らが、プレゼンを行なってサービスの説明をされていたことを思い出します。その後、筆者も信頼できる業者だと感じてクラウドバンクに登録し、現在は米ドル建てのカリフォルニア不動産ファンドに投資を行っています。
クラウドバンクは日本円から海外に簡単に投資ができますので、資産ポートフォリオが日本円にばかり偏っている方などには、良い分散投資の一つになるのではないかと思われます。そこで今回は、そんな筆者の経験も踏まえ、クラウドバンクのリスクやデメリット、メリットなどをご紹介します。
クラウドバンク(CrowdBank)の危険性やリスク・デメリット
【公式サイト】https://crowdbank.jp/
クラウドバンクの危険性やリスクは、主に下記2点に集約されます。
- 案件の貸し倒れリスクがある点
- 金融庁から2回行政処分を受けた点
クラウドバンクの過去の貸し倒れ件数はゼロ
まず、案件の貸し倒れに関してですが、こちらはクラウドバンクだけでなく、どのソーシャルレンディング事業者を利用するとしても起こりうるリスクです。
但し、クラウドバンクには「遅延」はありましたが、2013年12月からサービスを開始してこれまでの貸し倒れ件数は「0」ですので、与信判断能力は高い業者であると言えます。
クラウドバンクの行政処分に関する筆者の見解
続いて「行政処分」に関してですが、クラウドバンクは2015年7月3日と、2017年6月9日に2回ほど処分を受けています。
まず1回目の行政処分は、「顧客と会社の資金の分別管理ができていなかった」ために行政処分を受けました。これによって代表取締役は交代し、同年に営業担当取締役と財務経理担当取締役も交代しましたので、経営体制は変わったと言えるでしょう。
続いて2回目の行政処分は、「HP上の広告が事実と異なっていた」ために行政処分を受けました。こちらも現在はすでに業務改善報告書を提出しています。
クラウドバンクを利用する際には以上のようなリスクやデメリットを認識する必要がありますが、そもそもなぜ他のソーシャルレンディング業者は目立った「行政処分」を受けていないにも関わらず、クラウドバンクだけが2回も受けたのでしょうか?
クラウドバンク(CrowdBank)だけが行政処分を受けた理由
【公式サイト】https://crowdbank.jp/
一番大きな理由として考えられるのは、クラウドバンクは日本で唯一「証券会社」が運営している融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)であり、他の事業者よりも金融庁の監視が圧倒的に厳しいからです。
通常のソーシャルレンディング業者の場合、「第二種金融商品取引業者」と「貸金業」の免許を取得すれば事業を開始することができます。ですが、クラウドバンクは取得のハードルが高い「第一種金融商品取引業」の免許を取得しています。
なぜかと言うと、クラウドバンクは「みどり証券株式会社」という証券会社を買収して生まれた会社だからです。当然ですが、ソーシャルレンディング業者よりも「証券会社」を設立して運営する方がハードルは高いです。
例えば、野村証券や大和証券といった大手証券会社などと同じレベルで、クラウドバンクは内部管理体制を構築する必要があると言えば、イメージがつきますでしょうか。このようなハードルの高い基準を、ベンチャー企業のクラウドバンクはクリアする必要があったため、経営して成果を出すのは大変だったことが読み取れます。
ですが、逆にいうとそのような困難を乗り換えて今がありますので、その点ではかなり信頼性は高い業者だと言えるでしょう。
クラウドバンク(CrowdBank)の評判や口コミ
今朝からクラウドバンクの150億突破キャンペーン案件がたくさん出ていて良い感じ( ^ω^ )
当初のプラン通り、10〜15万円ずつで申込完了!4ヶ月で利回り7%は充分です。秋が楽しみ。— pico (@kinopicopico29) 2017年7月5日
ソーシャルレンディングのなかでクラウドバンクに資金が偏っていたので、利回りのいい案件の多いクラウドリースに口座を新規開設して償還があった分を資金移動。ほとんどの業者は出金手数料数百円取られる中、クラウドバンクは無料で素晴らしい。他の業者は手数料高すぎて資金移動がしにくいです。
— インベスターC (@investor_Clay) 2017年8月17日
ここまでクラウドバンクのネガティブな面をお伝えしてきましたが、クラウドバンクへの累計応募額は600億円以上と伸びています。ですので、クラウドバンクを良いと思って実際に利用しているユーザーは筆者の他にも存在します。
クラウドバンクのサービス面でのメリットを分かりやすくするために、伊藤忠商事が出資するソーシャルレンディング事業者の「クラウドクレジット」と比較してみます。
クラウドバンク(CrowdBank)とクラウドクレジットの比較
クラウドバンク | クラウドクレジット | |
案件の種類 | 風力発電、太陽光発電、不動産など多様 | 新興国への海外投資がメイン |
平均利回り | 約6.78% | 約10% |
運用期間 | 2ヶ月〜1年程度 | 7ヶ月〜3年程度 |
最低投資額 | 1万円 | 1万円 |
手数料 | 0円 | 0円 |
ユーザー数 | 非公開(1万人以上) | 3万人以上 |
累計応募額 | 600億円以上 | 200億円以上 |
不動産担保 | 一部あり | 無し |
サービス開始日 | 2013年12月 | 2013年6月 |
運営会社 | 証券会社 | 金融商品取引業第2種 |
公式サイト | https://crowdbank.jp/ | https://crowdcredit.jp/![]() |
上記の表などから読み取れるクラウドバンクのメリットは主に下記です。
クラウドバンク(CrowdBank)のメリット
- 1万円から投資が可能
- 案件の種類が多い
- 運用期間が短い案件が多い
- 累計応募額が多い
- 証券会社運営の安心感
- これまでに貸し倒れがない
上記のメリットを鑑みると、平均利回りはクラウドクレジットと比べて劣りますが、様々な案件に分散投資をしたい方や、運用期間が短い案件が良い方などには適していると言えるでしょう。
一方で、高い利回りを求めたい方や新興国に分散投資をしたい方などは、クラウドクレジットを利用された方が良いでしょう。
クラウドバンク(CrowdBank)に関する総合的な考察

以上になりますが、ソーシャルレンディングは事業者を分散し、案件にも分散投資をすることで、貸し倒れリスクや事業者の倒産リスクをヘッジすることが可能になる金融商品です。
これからソーシャルレンディングを始めようとされている方や、すでに別の事業者の口座を持っている方も、ポートフォリオの一つとしてクラウドバンクを利用されてみても良いでしょう。
さらに、クラウドバンクは以下のように案件の取り扱いが非常に豊富です。
- 太陽光
- 風力
- バイオマス
- 水力
- 地熱
- 建設/不動産事業
- 物流
- 宿泊/飲食
- エンターテイメント
- 医療/ヘルスケア
- 水処理
- 廃棄物処理
- 金融/マイクロファイナンス
- IT/ソフトウェア
様々な案件に分散投資をしたい方は、クラウドバンクの利用を検討されてみても良いでしょう。
クラウドバンク(CrowdBank)の口座開設方法(無料)

クラウドバンクの口座開設は簡単です。まずはこちらからクラウドバンクの公式サイトに移動し、その後「口座開設はこちら(無料)」ボタンをクリックします。
そうすると「口座開設のお申し込み(仮申し込み)」ページに飛びますので、メールアドレスなどの各種必要事項を入力します。
口座開設のお申し込み

そうすると、登録したメールアドレス宛にクラウドバンクからメールが届きます。
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メールに記載のURLをクリックして「本申し込み」にすすみます。
本人確認書類のアップロード
「本申し込み」で住所や氏名などの個人情報を入力後、運転免許証などの「本人確認書類」をアップロードすると申請は完了です。
マイナンバーの登録
そうすると通常2営業日以内に、登録したメールアドレス宛に、クラウドバンクから「マイナンバー登録の案内メール」が届きます。
こちらのメールに記載されているURLにアクセスしてマイナンバーを登録します。
クラウドバンクからのハガキの受け取り
その後、1週間以内ぐらいで登録した住所に、クラウドバンクから口座開設完了の旨が記載された「ハガキ」が届きます。
そちらのハガキを受け取ったことをクラウドバンク側が確認すれば、口座開設は完了です。