米国IT業界の王道銘柄といえば「GAFAM」、中国IT業界の王道銘柄と言えば「BAT」です。
ですが、そうは言ってもこれから投資を行うには「流石にもう上がりすぎでは?」「ここから投資をしてもそこまでのキャピタルゲインは得られないのでは?」「むしろ規制リスクがあり暴落の可能性もあるのでは?」と思う方もいるでしょう。
そこで、まだまだ時価総額レベルがGAFAMなどの巨大IT企業と比べて低く、今後の成長性に期待ができると言われているのがオーストラリアのハイテク株である「WAAAX」です。この記事ではWAAAXとGAFAMについて比較しながら紹介します。
オーストラリア株WAAAXとは?今後の成長性はどう?
「WAAAX」はオーストラリアの有名ハイテク銘柄、ワイズテック・グローバル、アッペン、アルティウム、アフターペイ・タッチ・グループ、ゼロの頭文字をとった名称です。時価総額は2020年11月末時点では以下の通りです。
- WTC:約96億AUD(7,392億円)
- APX:約37億AUD(2,849億円)
- ALU:約46億AUD(3,542億円)
- APT:約275億AUD(2兆1,175億円)
- XRO:約194億AUD(1兆4,938億円)
GAFAMやBATと比べるとまだ伸び代がありそうな時価総額とは言えます。ちなみに日本円は1AUDは77円程度でざっくり計算しています。それぞれの主な特徴や株価推移は以下の通りです。
WAAAX銘柄①:ワイズテック・グローバル【WTC】
ワイズテック・グローバル(WiseTech Global Ltd)は、ロジスティクス業界にソフトウェアソリューションを提供する会社です。2020年11月時点では29.95ドルです。
2016年に上場し、順調に株価は伸びています。コロナショックで一時的に株価が下落していますが、持ち直して成長し始めているのが現状です。ここで今後も成長する可能性が高いと見込めば、投資タイミングとも言えるでしょう。
(2023年7月追記)
結果として、2023年7月時点では、84ドルにまで上昇しており、2倍以上の上昇となっています。下手に日本株に投資をするよりも、確実に利益を得ることができた投資先だったと言えるでしょう。
WAAAX銘柄②:アッペン【APX】
続いて、アッペンはいわゆるAI銘柄と言えるでしょう。2015年に上場してから日が浅いこともあり、今後の成長性に期待ができます。2020年11月時点では、31ドルになっています。
(2023年7月時点追記)
アッペンは、大変残念ながら2023年7月時点では2ドルになっており、株価は1/15にまで下がっています。流行りのAI銘柄というだけで飛びついてしまうと、資産を大幅に失うことになってしまう好例でした。やはり自分が完全に理解できる事業内容を展開している企業にのみ投資を行うことが、自分の資産を守る上でも重要ということでしょう。
WAAAX銘柄③:アルティウム【ALU】
続いて、アルティウムは、エレクトロニクス製品向けソリューションを提供するグローバル企業です。1999年に上場してからしばらく株価は低迷していましたが、2014年ぐらいから大きく株価が伸びています。2020年11月時点では、35ドル前後で推移しています。
(2023年7月追記)
こちらについては横ばいでしたので、投資をすべきではなかったと言えるでしょう。ただ一定の配当利回りもありますので、特に損はしなかった銘柄といえます。
WAAAX銘柄④:アフターペイ【APT】
続いて、アフターペイです。個人的にはアフターペイの成長速度は凄まじいものがあると考えています。
上場前までの年数も短いですし、上場後も短期間で爆速成長しています。コロナショック後の伸びも凄まじいものがありますので、今後のさらなる成長に期待する方には良い銘柄でしょう。
アフターペイはその名の通り後払いのサービスです。後払いのサービスの競合には2005年に創業されたスウェーデンのKlarna、2012年に創業されたAffirmなどがあります。Affirmは2020年に上場予定で、企業価値は1兆円と言われています。
この領域の企業は時価総額が高くなる傾向にありますが、アフターペイについてはコロナ前が絶好の投資タイミングだったかもしれません。
その後、アフターペイについては2021年にスクエアが大型買収を行いました。
WAAAX銘柄⑤:ゼロ【XRO】
最後に、ゼロ(XERO)はクラウドベースの会計ソフトウェアプラットフォームです。クラウド会計ソフトということで、米国INTUITなどが競合になると言えるでしょう。
INTUITは優良銘柄なので筆者も積立投資をしていますが、XEROも2012年に上場して安定的に成長していますので、個人的にはXROが一番硬い投資先かなと感じました。
INTUITはすでに時価総額約930億ドル(約9兆7,650億円)と、XEROよりも遥かに成長していますので、ここからの伸びを期待してXEROに投資をしておくのはありかなと筆者も感じました。
但し直近はコロナの影響もあってか、現時点のXEROはPSRやPERがかなり高くなっているように見受けられるので、投資タイミングは重要かと思われます。クラウド会計ソフトという観点では、これからの伸びに期待して日本のmoneyforwardやfreeeに投資をするのも一つの方法です。
但し、それらの会計ソフトが海外で普及するかというとかなり厳しいのが現実かとは思いますので、あくまで日本市場での成長ということを鑑みての投資とはなるとは思われます。
(2023年7月追加)
2023年7月時点ではまだ株式市場の暴落の影響から戻り切っていませんが、一定今後は成長しそうな株価のチャートにはなっています。但しこの数年で大幅な利益は得られなかった銘柄ですので、WAAAX銘柄では、この数年は「ワイズテック・グローバル【WTC】」が圧倒的なリターンがあったと言えます。
GAFAMの時価総額と今後の成長可能性
- Apple:1.98兆ドル
- Microsoft:1.63兆ドル
- Amazon:1.60兆ドル
- Alphabet:1.21兆ドル
- Facebook:7,912億ドル
こうして改めて米国のGAFAMの時価総額を確認してみると、WAAAX銘柄よりも遥かに時価総額が高いことがわかります。この中ではFacebookは上場年数が浅く、今後の成長可能性を期待すれば伸び代があるのかもしれませんが、それでもかなり高くなっていることは否めません。
もちろん今後とも確実に成長する企業に投資をするのであれば投資先の候補としてあり得ますが、もう少し高いリターンを得たい方の場合は、もう少し時価総額の低い銘柄を投資対象に絞った方が良いでしょう。
米国株GAFAMに投資するならETFのQQQに投資もあり
ちなみに、これからGAFAMに投資をするのであれば、ハイテクセクターに集中投資しているETFであるQQQに投資をするのも一つの方法です。
GAFAMに個別投資する場合、その企業の様々なリスクを懸念する必要がありますが、QQQなどのETFであれば、勝手にプロが銘柄選定をしてくれるからです。
銘柄も分散投資できますし、QQQはVTIなどのS&P500連動型のETFよりも更に成績がよく、今後もハイテクセクターが伸びると考えている方にはおすすめのETFです。
ちなみにそんなQQQもネット証券から簡単に購入が可能です。まずは小額から投資をして、慣れてきたら大きく投資をしたい方には、1000円からスマホで投資ができるネット証券を利用されてみるのが良いでしょう。
また、完全にほったからしの資産運用を行い方にはロボアドバイザーがおすすめです。自動で国際分散投資をしてくれて、毎年安定的にリターンを得られる可能性が高いため、筆者も個別銘柄への投資ではなくロボアドバイザー投資を行なっています。
個別銘柄の選定は非常に難しいところがありますので、安定的にリターンを得たいと思っている方にはロボアドバイザーはおすすめです。