みずほ銀行のロボアドバイザー「スマートフォリオ(SMARTFOLIO)」について、他社のロボアドバイザーと評判を比較しつつご紹介します。
スマートフォリオのサービスの実績や評判、実際に利用した際のメリットやデメリットなどを踏まえて、最終的に利用がおすすめな人をご紹介します。
スマートフォリオ(SMARTFOLIO)は完全お任せの資産運用ではない
まず、スマートフォリオ(SMATFOLIO)は、完全にコンピューターにお任せできる資産運用ではありません。実はロボアドバイザーには、下記の2種類があります。
- 資産運用を完全にお任せできる、投資一任型のロボアドバイザー(WealthNaviなど)
- 提案はしてもらえるものの、最終的には自分でポートフォリオを考えなければいけないロボアドバイザー(SMARTFOLIOなど)
ユーザーである私たちは最初に簡単な質問に答えることで、どちらのロボアドバイザーからも、最適な資産運用のポートフォリオやシュミレーションを提案してもらえます。
しかしながら、SMARTFOLIOなどのロボアドバイザーの場合は、提案された投資信託の中から自分で投資するものを選び、契約金額も決めなければなりません。
スマートフォリオ(SMARTFOLIO)はみずほ銀行の商品のみがポートフォリオ
スマートフォリオ(SMARTFOLIO)は、みずほ銀行のサービスですので、当然みずほ銀行が提供する投資信託の中から選ぶ必要があります。
そのため、様々な投資先に分散投資ができると言われつつも、その実態は、みずほ銀行が提供する商品の範囲内に留まっているのです。したがって、本当に様々な金融商品から選ばれてポートフォリオが形成されている訳ではありません。
したがって、多様な投資先に国際分散投資を行いたい方は、米国株・日欧株・新興国株・米国債券・金・不動産・現金に分散投資をしてくれる、ウェルスナビなどのロボアドバイザーを利用された方が良いでしょう。
ウェルスナビであれば、資金を入金するだけであとは勝手に国際分散投資をしてくれます。自分で投資信託を選ぶ必要もありませんので、本当にほったからしの資産運用が可能です。
みずほ銀行のスマートフォリオ利用までには一手間あり
また、スマートフォリオ(SMARTFOLIO)を利用するためには、まずは他のみずほ銀行の各種サービスに申し込む必要があります。
具体的には、みずほ銀行の「普通預金口座」と「投資信託口座」の2つの口座開設と、「みずほダイレクト契約」に申し込む必要があります。
ですので、みずほ銀行にすでに口座をお持ちの方には良いですが、それ以外の方の場合は、スマートフォリオを開始するまでに若干の手間がかかります。
スマートフォリオ(SMARTFOLIO)の運用実績は?
みずほ銀行のロボアドバイザーSMARTFOLIOの運用実績は、公式サイトに掲載されています。
今の所は低リスクの方も高リスクの方も、サービス開始当初から利用していれば、昨今の好調な株式市場の恩恵を受けて、リターンはプラスになっています。
しかしながら、実際に誰が運用を担当しているのか?、運用担当者のこれまでの運用実績はどうなのか?は、不明です。
運用自体はみずほ第一ファイナンシャルテクノロジー株式会社が担当することになっていますが、具体的に誰が運用を担当してくれているのかは分かりません。このような不透明性があるのも、筆者個人としては不信感に繋がります。
スマートフォリオ(SMARTFOLIO)を他社ロボアドバイザーと比較(追記あり)
サービス名 | 最低投資額 | 手数料 |
スマートフォリオ | 1万円 | 年率0.54%程度〜(人によって変動) |
楽ラップ | 10万円 | 年率0.702%:固定報酬型 年率0.594%+運用益の5.4%:成功報酬型 |
ウェルスナビ | 10万円 | 年率1.0%(税抜):3,000万円まで 年率0.5%(税抜):3,000万円超の部分 |
ウェルスナビ for SBI証券 | 10万円 | 年率1.0%(税抜):3,000万円まで 年率0.5%(税抜):3,000万円超の部分 |
LINEワンコイン投資 | 500円 | 年率1.0%(税抜):3,000万円まで 年率0.5%(税抜):3,000万円超の部分 ※2020年4月末まで手数料無料 |
続いて、スマートフォリオを他のロボアドバイザーと比較してみます。
まず、最低投資額が500円から可能なのは、LINEワンコイン投資ぐらいです。さらに、2020年4月末までは手数料も無料で使えますので、手数料面では圧倒的にお得になっています。
筆者もこのようなお得な面があるため、LINEワンコイン投資で毎月10万円ずつ積立投資を行っています。さらに毎月10万円以上の投資でLINE PAY付与率が2%付きますので、LINE PAY残高が毎月2000円ずつ増えていきます。
1年にすると2.4万円のお小遣いになりますので、これはかなりお得な仕組みと言えるでしょう。普通預金金利が0.001%の時代ですので、普通預金に預金しておくよりもLINEワンコイン投資をした方が良いとも言えます。
スマートフォリオの手数料は変動するがLINEスマート投資に次ぐ安さ
また、手数料については、当然ポートフォリオによって変動しますが、筆者が実際に試算したケースでは、LINEワンコイン投資(LINEスマート投資)よりは若干高くなったものの、楽ラップよりは安くなりました。
しかしながら、みずほ銀行の公式サイトには、投資信託の手数料について下記の案内が記載されています。
- 購入時手数料(購入金額、口数等に応じ、基準価額に対して、最大3.78%(税抜3.5%))
- 運用管理費用(信託報酬)(純資産総額に対して、最大年率2.268%(税抜2.1%))(ただし、運用成果に応じてご負担いただく実績報酬は除きます)
- 信託財産留保額(換金時の基準価額に対して最大0.500%)
- 監査費用・売買委託手数料等その他費用
そのため、シュミレーション上の初年度の投資コストは安く表示されるかもしれませんが、上記のような手数料が投資信託にはかかることは、注意しておいた方が良いでしょう。
完全お任せの資産運用が可能なロボアドバイザーと比較
【公式サイト】https://www.wealthnavi.com/
続いて、完全に資産運用をお任せできるロボアドバイザーの『ウェルスナビ』と、その特徴を比較してみます。
ウェルスナビの場合は、最初に6つの質問に答えることで、自分にとって最適なポートフォリオやシュミレーションプランをコンピューターが提案してくれます。ですので、自分で投資信託を選ぶ必要もありません。
また、ウェルスナビ株式会社は、メガバンクから出資を受けている会社ではありますが、特定の金融機関に属しているサービスではありません。そのため、特定の金融機関の投資信託に限られることなく、世界中の幅広い選択肢の中から6~7銘柄の海外ETF(上場投資信託)に、国際分散投資を行うことができるのです。
WealthNavi(ウェルスナビ)は口座開設(無料)が簡単
また、WealthNavi(ウェルスナビ)であれば、自分がどこの銀行口座を保有していようが関係なく、口座開設(無料)もマイナンバーが手元にあれば、ネット上からすぐに完了します。
経営者や運用責任者に関しても、WealthNavi(ウェルスナビ)の公式サイト上にきちんと記載されています。ですので、ユーザーである私たちにとっては、彼らの経歴が投資の判断材料にもなるのです。
代表取締役 CEO柴山 和久氏の経歴
東京大学法学部、ハーバード・ロースクール、INSEAD卒業。ニューヨーク州弁護士。日英の財務省で合計9年間、予算、税制、金融、国際交渉に参画する。その後、マッキンゼーでは、ウォール街に本拠を置く機関投資家を1年半サポートし、10兆円規模のリスク管理と資産運用に携わる。次世代の金融インフラを構築したいという想いから、2015年4月にウェルスナビを創業。
出典:公式サイト
リサーチ & クオンツ・マネージャー 牛山 史朗氏の経歴
最先端の金融工学の恩恵を誰でも享受できるようにしたいという想いから、2015年12月にウェルスナビに参画。WealthNaviの提供するウェルス・マネジメントの核(コア)となる、中立的で客観的な金融アルゴリズムの開発をリードしている。ウェルスナビ参画以前には、三菱UFJ信託銀行で個人向けの資産運用アドバイスなどを担当した後、野村證券にてグローバルな投資戦略の開発などを行う。京都大学大学院情報学研究科で金融工学を専攻。
出典:公式サイト
このように、一般的には、大手金融機関によるサービスは金融機関目線であり、フィンテック企業によるサービスはユーザー目線であるとは言えるでしょう。
筆者としてはこのような情報も踏まえた上で、ウェルスナビでコツコツと資産形成を行っています。
スマートフォリオ(SMARTFOLIO)の利用がおすすめな人とは
以上になりますが、みずほ銀行のスマートフォリオの利用が向いている人は、一言で言うと、みずほ銀行をメインで利用している人です。みずほ銀行にすでに「普通預金口座」を保有しており、「みずほダイレクト契約」をしており、なおかつみずほ銀行に「投資信託口座」を保有している方には良いでしょう。
みずほ銀行のスマートフォリオ(SMARTFOLIO)の体験版では、年齢や年収などの簡単な質問に答えることで、無料でポートフォリオの提案をしてもらえます。また、上記でご紹介したウェルスナビ(WealthNavi)でも、同じく無料診断をしてもらえて、資産運用のシュミレーションを提示してもらえます。
ですので、現在ロボアドバイザーの利用を検討中の方は、両者の診断結果を比較してみるのも面白いでしょう。両方とも診断や口座開設自体は無料ですので、実際に無料診断をしてみてから、利用するロボアドバイザーを決めてみてはいかがでしょうか。