近年日経新聞などで話題になっているロボアドバイザーは、簡単にいうと完全にロボット(AI)にお任せできる資産運用です。
スマホでいくつかの簡単な質問に答えるだけで、自分に合った投資先や資産運用の方法を、AIが自動で提案してくれます。
AIが提案してくれた資産運用のシュミレーションプランに納得したら、お金をロボアドバイザーの提供業者に預けて、あとはロボアドバイザーが勝手に資産運用をしてくれます。
そこで今回は、そんなロボアドバイザーのデメリットやメリット、どんな人にロボアドバイザーでの資産運用が向いているか?などをご紹介します。
目次
ロボアドバイザーのデメリットは?

まず、ロボアドバイザーの主なデメリットは以下になります。
- 手数料が高い(年率1%程度)
- 元本割れのリスクがある
- 短期で大きな値上がりは期待できない
1. 手数料が高い
会社名 | サービス名 | 最低投資額 | 手数料 |
マネックス証券 | MSV LIFE | 1000円 | 年率1.0%未満(税込) |
お金のデザイン | テオ(THEO) | 1万円 | 年率1.0%:3,000万円まで 年率0.5%:3,000万円超の部分 |
マネックス証券 | マネックスアドバイザー | 5万円 | 年率:0.487%(スタイルによって変動) |
楽天証券 | 楽ラップ | 10万円 | 年率0.702%:固定報酬型 年率0.594%+運用益の5.4%:成功報酬型 |
SBI証券(仲介) | ウェルスナビ |
10万円 | 年率1.0%:3,000万円まで 年率0.5%:3,000万円超の部分 |
ウェルスナビ | ウェルスナビ |
10万円 | 年率1.0%:3,000万円まで 年率0.5%:3,000万円超の部分 |
上記の表は、大手証券会社など、代表的なロボアドバイザーの手数料をまとめた比較表です。
こちらを確認すると楽天証券の「楽ラップ」の成功報酬型を除いて、どのサービスでも手数料は1%程度かそれ以下であることが分かります。
ロボアドバイザーの手数料は、プロ(AI)に運用を任せるための手数料になります。ですので、例えば自分で株式投資をする場合と比べると、手数料は高いです。
ですが、投資信託などのプロのファンドマネージャーに運用を任せる金融商品であれば、運用管理費用である「信託報酬」がありますので、こちらも平均1%超はとられています。
また、投資信託は購入時に3%程度の手数料がかかることも多いですが、ロボアドバイザーは購入時の手数料が無料です。したがって、一概に手数料が高いと言いきることはできません。
2. 元本割れのリスクがある
続いてのデメリットですが、ロボアドバイザーには元本割れのリスクがあります。
但し、資産運用をする限り、元本割れのリスクはつきものです。自分で投資信託を選んだり、株式投資をしたり、不動産投資をしたとしても、必ずリスクは伴います。
従って、ロボアドバイザーを利用する際の基準は、ロボアドバイザーを提供する企業のパフォーマンスを信頼できるかどうか?の一言につきます。
3. 短期で大きな値上がりは期待できない
最後に、ロボアドバイザーはハイリスク・ハイリターンの金融商品ではありませんので、株式投資のように、1年間で資産が10倍になることはまずありえません。
ですが、その分きちんと時間をかけて長期で資産運用をしていきたい方にとっては、堅実に資産を増やしてくれるサービスです。
ロボアドバイザーは、利用者によって運用成績は異なる
動画出典:MSV LIFE
ロボアドバイザーを始める際には、現在の年収や金融資産、とれるリスクなどを聞かれます。
そこで、大きなリスクをとれると回答した人ほど、高いリターンに繋がる可能性があります。一方、とにかく安全に運用したいと回答した人の場合は、その分リターンは低くなる傾向があります。
つまり、ロボアドバイザーはその人にカスタマイズされた資産運用になりますので、人によって最終的な運用成績は異なるのです。一方、ロボアドバイザーを利用するメリットは下記です。
ロボアドバイザーのメリットは?
- 少額から簡単に始められる
- 手間がかからない(分散投資や税金の計算、リバランスなどをしてくれる)
- ファイナンシャルプランナーへ資産運用の相談をする必要がない
- 通常3営業日後には出金ができるため、流動性が高い
まず、少額から簡単に始められて、手間がかからない点が、ロボアドバイザーの最大のメリットです。他にも例えば、ウェルスナビは「特定口座」にも対応しているため、確定申告も原則不要です。
証券会社での口座開設時には「一般口座」「特定口座(源泉徴収なし)」「特定口座(源泉徴収あり)」のどれかを選択する必要があります。
そこで「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでおけば、証券会社が源泉徴収や税金の納付を代わりにしてくれますので、煩わしい確定申告の作業も原則不要になるのです。
ウェルスナビには証券会社と同じ体制が整っているため、勝手に運用のリバランスをしてくれるだけでなく、個人の税金の申告面での手間も省けるのです。
ロボアドバイザーは他の金融商品よりも流動性が高い
例えば、ソーシャルレンディングでの資産運用の場合は、投資する案件によりますが、一度案件に投資したら数ヶ月〜数年間は途中解約ができません。
一方、ロボアドバイザーは、やめたいと思ったら通常3営業日後には出金が可能です。ですので、株式投資と同じように換金性が高い金融商品です。
ロボアドバイザーは景気の変動にも素早く対応が可能
最後に、万一世界中が大不況になった場合、どんな資産運用をしても、運用パフォーマンスは芳しいものにならない可能性は高いです。
そういう時にロボアドバイザーであれば、すぐに解約ができて、現金に戻せるというメリットがありますので、リスクヘッジに繋がります。
ロボアドバイザーの利用が向いている人

以上を踏まえて、ロボアドバイザーが向いている人は、以下のような方かと思います。
- 資産運用はコンピューターにお任せしたい方
- 自分で株式投資などをする時間が取れない方
- お金がお金を稼いでくれる仕組みを作りたい方
- 投資信託などの資産運用では勝てなかった方
つまり、ロボアドバイザーは資産運用はコンピューターに任せて、自分はもっと別のことに時間を使いたい人に、特に向いているサービスと言えます。
投資で勝つためには、資産運用に関する学習と実践が必要不可欠です。
従って、フィーリングで株や投資信託を購入してしまって損したことがある方などは、ロボアドバイザーにお任せする方が、結果的にリターンが良くなる可能性は高いとは言えるでしょう。
ロボアドバイザーの利用が向いていない人
- 自分なりの投資哲学があって、これまでも投資で勝ち続けている方
- 投資に関する勉強が大好きで、今後もずっと自分で運用していきたい方
一方、ロボアドバイザーが向いていない人は、上記のような方かと思います。
個人投資家として生きていきたい方などには、ロボアドバイザーは適していません。そのような方は、株式投資などを勉強して、日々実践しながら取り組まれた方が良いでしょう。
これからロボアドバイザーを始めるに当たって一番重要なこと

最後に、これからロボアドバイザーを始める上で一番大切なことをお伝えしますが、それはこれまでのロボアドバイザーの運用パフォーマンスを確認することです。
例え利用を検討しているロボアドバイザーの運用手数料が安かったとしても、結局リターンが低ければ資産運用をする意味がありません。
今のところ数あるロボアドバイザーの中でも、ウェルスナビは1年8ヶ月の期間で+19%〜+24%のリターンが出ています。
(2018年追記)2016年1月〜2018年2月までのリターン

2018年2月末時点のリターンでも、こちらの公式サイトによると、円建てで3%〜21%(ドル建てで9%〜29%)のリターンでています。
銀行の定期預金では1年間で良くても0.1%以下のリターンしかありませんので、それと比べるとかなり高いパフォーマンスです。
ウェルスナビは今後上場の可能性もある信頼性が高い企業

また、ウェルスナビには、三井住友銀行ベンチャーキャピタル、みずほフィナンシャルグループ、三菱東京UFJキャピタルなどが出資していますので、今後上場の可能性が期待できます。
代表取締役CEOの柴山氏は、東京大学卒業後、日英財務省に勤務し、ハーバードロースクールを卒業してニューヨーク州弁護士になり、マッキンゼー・アンド・カンパニーでコンサルティング経験も有しています。
ウェルスナビは口座開設がとても簡単
筆者もウェルスナビには口座を保有しておりますが、ウェルスナビの口座開設は、煩わしい住所入力などが不要で、口座開設がとても簡単です。
ウェルスナビでは、資金の出金先の銀行口座番号を入力し、マイナンバーの写真をアップロードするだけで、自動的に登録住所に口座開設の完了通知が届きます。
ロボアドバイザーは、口座開設手数料や年会費などは無料ですので、気になる方はまずは一度ウェルスナビに無料の口座開設をしてみてはいかがでしょうか?
大手マネックス証券が提供する「マネラップ」
出典:MSV LIFE
一方、パフォーマンスが高くてもベンチャー企業は信頼がおけないという方は、大手マネックス証券のロボアドバイザーMSV LIFE(マネラップ)を利用されてみても良いでしょう。
こちらはウェルスナビと異なり、最低投資額も1,000円からになりますので、「ウェルスナビで10万円から始めるのはちょっと…」という方にも適しています。
ぜひ自分にあった資産運用に今のうちから取り組み、豊かな老後を迎えましょう。