2019年9月13日付で、株式投資型クラウドファンディング「Angelbank」を運営するユニバーサルバンク株式会社が、エメラダ株式会社が運営する「エメラダ・エクイティ」事業を譲り受けました。
これによって、Angelbankは株式投資型クラウドファンディングの発行総額で、ファンディーノ(FUNDINNO)に次ぐ国内第2位の規模となりました。2019年8月末時点ではAngelbankの正式なサービスはリリースされていませんが、普通株式と新株予約権の2種類の取扱いを行う予定となっています。
ここしばらくはエメラダ・エクイティで新規案件が掲載されていませんでしたので、筆者としてはこの事業譲渡によって今後の案件活発化に期待しています。そんなAngelbankは、ファンディーノと何が違うのでしょうか。
ファンディーノ(FUNDINNO)の特徴は日本初で国内No.1の事業者な点
【公式サイト】https://fundinno.com/
『ファンディーノ』は、日本初の株式投資型クラウドファンディング事業者です。
2017年4月のBank Invoice株式会社の第一号の案件募集開始から、2019年8月末時点で累計約定金額は22億円を突破し、ユーザー数も1.7万人と圧倒的に国内No.1の事業者です。案件成約数も60件以上と毎月1件以上のペースで増加しており、すでにExit済の案件なども誕生してきています。
投資経験1年以上・金融資産300万円以上の方向け
ただし、ファンディーノはベンチャー企業へ投資ができることから、ハイリスクハイリターンの投資にはなります。そのため、満20才以上で投資経験1年以上、金融資産300万円以上の方のみが利用できます。
ファンディーノに限らず株式投資型クラウドファンディングは、当たれば大きなリターンを得ることができますが、外れると投資元本がゼロになる可能性もあります。ただし、投資案件によってはエンジェル税制を適応することができたりと、高所得者に対しては節税対策にもなります。
続いて、運営会社である日本クラウドキャピタル株式会社の概要を確認すると以下の通りです。
運営会社の日本クラウドキャピタル株式会社の信頼性
社名 | 株式会社日本クラウドキャピタル (英文社名 Japan Cloud Capital,inc.) |
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本社 | 東京都品川区東五反田5丁目25番18号 |
登録番号 | 第一種少額電子募集取扱業者 関東財務局長(金商)第2957号 |
設立 | 2015年11月26日 |
資本金 | 5億5359万3220円(別途資本準備金:3億3839万3120円) ※2019年7月31日時点 |
加入協会 | 日本証券業協会(加入) 証券・金融商品あっせん相談センター(加入) 日本投資者保護基金(未加入) |
事業内容 | 第一種少額電子募集取扱業務 FUNDINNO(ファンディーノ)の運営業務 |
代表者 | 代表取締役CEO 柴原 祐喜 代表取締役COO 大浦 学 |
役員 | 取締役 二又 浩 取締役 平石 智紀 取締役 二本柳 健 取締役 布施 知芳 取締役 守屋 実 監査役 村主 佳隆 監査役 金井 重高 監査役 石井 絵梨子 |
従業員数 | 45名 ※2019年4月26日時点 |
取引銀行 | 三菱UFJ銀行・楽天銀行・横浜銀行 |
信託銀行 | 日証金信託銀行 |
顧問 | 出井 伸之 |
日本クラウドキャピタル株式会社は資金調達をしていることもあり資本金は5億円を超えており、従業員数も45名と順調に拡大しています。
顧問には元ソニー社長の出井氏も参画しており、日本クラウドキャピタル株式会社自体の今後の成長にも期待ができます。
筆者もファンディーノには口座開設済で案件にも投資中
筆者も運営サービスであるファンディーノにはすでに口座開設をしており、ベンチャー企業のnommocに投資も実行しています。nommocは移動を無料にすることを掲げたベンチャー企業です。
タクシー配車アプリを提供し、乗車する人は広告を見ることで、無料で移動することができます。筆者個人的にはモビリティ市場には今後期待できると考えたのと、起業家が若くまだチャレンジ精神があるように感じたため投資を決定しました。
このモビリティ市場には大手IT企業のDeNAなどもMOVで参入しており(のちにJapan Taxiと合併)、今後市場としての成長性には期待ができます。取り扱い案件の全てのベンチャー企業が成功するとは思いませんが、そのうちのいくつかの企業はM&AされたりIPOしたりすることでしょう。
ベンチャー企業への投資はリスクも高いですが、今後の成長を応援できるといった点でもロマンがある投資と言えます。
Angelbankの特徴は普通株式と新株予約権の2種類の取扱いがある点
Angelbankは、2018年9月18日に第一種少額電子募集取扱業者として登録されたユニバーサルバンク株式会社が運営する、株式投資型クラウドファンディングプラットフォームです。
代表は元ベンチャーキャピタリストで、メンバーにはゴールドマンサックス、ドイツ証券、JPモルガン等の外資系金融機関出身が集まっているようです。まだ株式投資型クラウドファンディングのサービスは始まっていませんが、2019年中のサービス開始に向けて準備を進めています。
なお、これまでのエメラダ・エクイティは、「Angelbank Convertible Equity(仮称)」というサービス名で運営を行う予定とのことです。これによって、普通株式と新株予約権の2種類の取扱いが予定されています。
エメラダ・エクイティの特徴はプロ投資家への相乗り投資
「エメラダ・エクイティ」は、第一種少額電子募集取扱業者であるエメラダ株式会社が運営していた、株式投資型クラウドファンディングプラットフォームです。個人投資家は、成長途上のベンチャー企業に1社49万円まで投資できます。
エメラダ・エクイティのサービスは、ベンチャーキャピタルなど、プロの投資家が投資したベンチャー企業に相乗り投資ができる点が特徴です。これまでに発行総額2億335万円、発行件数8件の取り扱いがあります。
新規案件の掲載はほぼストップしていた
しかしながら直近ではやはり「相乗り投資」という案件がなかなかないのか、新規案件の掲載はほぼストップしてしまっていたような状況でした。そこで2019年8月に「Angelbank」を運営するユニバーサルバンク株式会社が、事業を引き受けたのは良いタイミングだったのかもしれません。
なお、エメラダエクイティを運営するエメラダ株式会社は、以下の2つの別サービスも提供しています。
エメラダ・マーケットプレイス
エメラダ・マーケトップレイスは、すべての口座情報をひとつの画面に集約し、日々のお金の流れや財務指標をリアルタイムに伝えてくれるサービスです。これらを金融機関と共有することにより、スピーディーな融資審査が実現されます。
エメラダ・バンク
エメラダ・バンクは、地域金融機関が複数参画する、中小企業・小規模事業主を対象としたオンライン融資サービスです。
決算書だけでは判断することができないキャッシュフローなど様々な情報を評価してくれるため、銀行側が融資判断を下しやすくなっています。主なやり取りはオンラインで完結するため、煩雑な借入手続きなどの手間がなく、2019年4月時点で約10億円の融資実績があります。
株式投資型クラウドファンディングの今後の展開を予想
エメラダ株式会社は、株式投資型クラウドファンディングのエメラダ・エクイティ事業を譲渡しましたので、今後は上記2つの事業に注力していくのかもしれません。
いずれにせよ、エメラダ・エクイティを吸収したAngelbankの今後のサービスリリースには期待といったところでしょう。2020年にはXTech株式会社と大和証券の子会社が合弁で設立したイークラウド株式会社も、株式投資型クラウドファンディング事業を始める予定とのリリースを出しています。
株式投資型クラウドファンディングに興味のある方は、人気が出てきて案件に投資ができなくなる前に、今のうちからまずはNo.1サービスのファンディーノに無料登録されておくのがおすすめです。