レオスキャピタルワークスの藤野氏が執筆された「投資レジェンドが教える ヤバい会社」の口コミです。
なお、レオスキャピタルワークスが提供するひふみ投信には、筆者も口座を開設していますので、詳細はこちらのひふみ投信の口コミにまとめております。
本書には株式投資の具体的な基準が書かれている訳ではなく、どちらかというと会社経営者向きの本と言って良いかと思われます。
ただしそうは言っても、「投資レジェンド」とも称されるひふみ投信の藤野氏の投資哲学を学ぶことができる良書です。
そこで今回は本書の感想と、良い会社の具体例、株式投資の勉強方法などをご紹介しますので、参考にしてみてください。
投資レジェンドが教えるヤバい会社とは?
まず本書では、これからは「社会貢献」と「成長」の両方を達成できるのがいい会社であると定義されています。
多少意訳すると、下記のような3つの基準で「いい会社」は判断されているようです。
- ナカマ:どれだけ自社にかかわる人たちとの関係性を築き、協力を得られているか?
- オコナイ:企業が商品やサービスを通じて、社会にどのような影響を与えるか?与えていこうとしているか?
- ココロ:企業にビジョンがきちんとあり、社内に浸透しているか?
この基準のそれぞれが、より細分化されて本書では紹介されています。これらの基準を満たさない会社は投資先とはならないのかと思います。
また、会社が成長していくために必要な協力者すべての「幸せ」なくして、企業の成長はないと言い切られていますので、時代の価値観の変化に応じて、会社自体も変わっていけるような体質であることが重要なのでしょう。
それではそのような基準を踏まえて、何かしらの観点から褒められていた実際の企業の具体例をいくつかご紹介してみます。
企業理念の浸透によって業績を伸ばした会社の事例
まずは、企業理念の浸透によって業績を伸ばした会社の例です。
こちらは3つ目の判断基準である「ココロ」の部分に該当するかと思われますが、逆に言えば「企業理念がない会社」や「社長に理念を聞いても答えられないような会社」は、非常にヤバい会社と言えるでしょう。
- ジンズ
- 堀場製作所
- 寿スピリッツ
- LITALICO
- トラスコ中山
例えば、メガネのJINSは業績が低迷していた2009年にクレド(企業理念)を打ち出し、そこから急激に業績を回復させています。
昔からある日本の大企業で業績も伸びていない企業の場合、社内に企業理念が浸透していないことはよくあるのでしょうが、そのような企業には今後の成長はあまり期待できないのでしょう。
なお、日本の大企業であっても褒められていたのが「三菱商事」です。
投資を決めるにあたっては決算説明会の資料の綺麗さも重要
出典:三菱商事
三菱商事のIR資料は、日本語だけでなく、英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語と、グローバル企業でもあるため、非常に外国人の投資家を意識したものとなっています。
同社の株価はリーマンショックによって一時期1/3程度に落ち込みはしたものの、ここ数年はしっかりと日本の株高と合わせて回復してきています。
三菱商事は非常に大きな会社ですので、1年で10倍などに成長するような株式ではありません。ですが、安定的に配当金がもらえるような企業と捉えることは可能かもしれません。
社長が公私混同せず、必要なところにお金を使う会社の事例
続いて「社長が経費で高級外車を購入したり、社長室にお金を使っていたりする会社」には投資しないという観点がありました。
確かにこのような企業は一時的には繁栄するかもしれませんが、長期的に見ると非常に危険な会社と言えるでしょう。
一方、実際に訪問したら本社の建物はシンプルで、社長室もごく質素だけれども、工場をのぞいてみるとそこには最先端の設備があった会社として「日本セラミック」という会社が紹介されています。
実際に同社の株価推移を確認してみると、ずっと右肩上がりとなっていました。
つまり、社長は事業の収益源ともなる必要なところに経費をかけるべきであって、不要なところに公私混同で経費を使ってはいけないのでしょう。
地元密着型で大成功している会社の事例
他にも、地元密着で大成功をしている企業として「中型のドラッグストア」を例にあげています。
例えば、下記のような地方にある会社です。
- コスモス薬品
- ゲンキー
- 薬王堂
かの有名な世界一の投資家ウォーレンバフェットも、このような地域独占型企業へ投資することがあるように思われます。
なお、他にもナンバー2がしっかりしている成長企業として「GMOペイメントゲートウェイ」が紹介されていたり、社内結婚が多い会社はいい会社として「ゾゾタウン」などが紹介されていました。
両者ともに成長しているIT企業の代表格のような印象が筆者もあります。
カリスマファンドマネージャー藤野氏の主張とは?
このような成長企業を見る際の色々な観点が本書では紹介されていましたが、本書を読み進めていくと何度か出てくる筆者の主張として、下記2つがありました。
- HPに役員の「顔写真」がきちんと掲載されているのがいい会社
- 女性の活躍が日本企業の成長のカギを握る
確かにこう言われてみるとそうだなと納得する主張です。HPに顔写真がきちんと掲載されていない会社は、何かしら社長がやましいことがあるのかなと勘ぐってしまったりはします。
また、女性の活躍が必要と言われてはいるものの、日本企業の多くは役員層がほとんど男性です。それでは、実際のところ「ひふみ投信」を提供するレオスキャピタルワークス株式会社はどうなのでしょうか。
ひふみ投信は実際のところ良い会社なのか?
実際に公式サイト(レオスのひふみ投信)を確認すると、本書で主張されていたようにサイトには「社員の顔」がきちんと掲載されています。
役員だけでなく、運用メンバーもきちんと顔写真付きの経歴が紹介されています。また、取締役にはしっかりと女性の方も参画されており、まさに著者の有言実行が体現されていると言えるでしょう。
ひふみ投信は、これまでにも高いパフォーマンスをあげている投資信託です。このパフォーマンスが今後もずっと続くかは分かりませんが、1万円から始めることができるため敷居は低くなっています。
一万円ぐらいであれば預けてみようかなという方は、ひふみ投信の口座開設や口座維持手数料は無料ですので、まずはひふみ投信に無料の口座開設をされてみてはいかがでしょうか。
【追記】2019年〜2020年のひふみ投信の運用実績
ちなみに上記は2019年〜2020年の1年間の筆者のひふみ投信(主にひふみワールド)の運用実績です。
実際に1年間運用を行い、これまでのところ含み益で推移しています。基準価格は着実に上昇していますので、今後10年程度は毎月10万円の積立投資を行う予定です。ひふみ投信は日本では珍しく実際にパフォーマンスを出している数少ないアクティブ型投資信託ですので、投資の初心者から上級者まで幅広くおすすめできる投資信託です。
ひふみ投信を提供するレオスキャピタルワークス株式会社は、2020年にSBIグループに入りましたので、さらに社内の体制は強化されていることが想定されます。今後ともひふみ投信のパフォーマンスに期待を持てる方は、まずは少額からでもひふみ投信を始めてみてはいかがでしょうか。