おすすめのバフェット本は?初心者向けに有名本と筆者が読んで良かった5冊の感想を紹介

ウォーレン・バフェットと言えば世界一の投資家として有名です。

そんなバフェットの投資手法を解説した有名な本には「株で富を築くバフェットの法則[最新版]—不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法」や「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」などがあり、自伝に関しては「文庫・スノーボール ウォーレン・バフェット伝 (改訂新版)〈上・中・下 合本版〉」などがあります。

今回はそれらのバフェットに関する有名本以外のおすすめ本をお探しの方に、筆者が実際に読んで勉強になったバフェットに関する本や、バフェットを知っておくにあたって避けては通れないベンジャミン・グレアム氏とチャーリー・マンガー氏の本も合わせてご紹介します。

おすすめのウォーレン・バフェット本5つ

それぞれの本に関する読んだ感想や重要だと感じた箇所をお伝えできればと思いますが、筆者も以前にバリュー投資のおすすめ本をご紹介しましたので、ウォーレン・バフェットに限らずバリュー投資・グロース投資に関心のある方はそちらをご参照ください。

また、当サイトでは筆者も通った株式投資を学べる総合マネースクールもご紹介しています。

読書だけで独学で学んでいくのではなく、体系的に株式投資の成功者から直接株式投資のファンダメンタル分析やチャート分析、テクニカル分析などを学びたい方は、株式投資のスクールを活用するのもおすすめです。

バフェットの手法を知りたい方におすすめの本①:麗しのバフェット銘柄

麗しのバフェット銘柄は、ウォーレンバフェットの保有銘柄を分析した本です。

本書では、企業の競争力とその競争力の持続性こそが株式投資の基本であるとされています。企業の競争力とは独占的な商品で利益を生み出す能力であり、競争力の持続性とは同業他社との競争に打ち勝って将来的にも利益を出し続ける能力のことをさします。

具体的には、「ユニークな商品やサービスを提供することによって強い競争力を確立した企業」などが該当します。株式投資の基本とは、社会を変革または発展させるような企業をターゲットとするのではなく、持続的な競争力をもつ企業に全てのエネルギーをそそぐべきと書かれています。

持続的な競争力を持つ企業とは?価格競争型の企業との違い

持続的な競争力を持つ企業とは、ユニークな商品サービスを販売している会社ということでしたが、もう少し具体的にするとどのような会社なのでしょうか。本書では以下の4種類のどれかのビジネスを提供する企業と紹介されています。

持続的な競争力を持つ企業
  1. 繰り返し使われるブランド力のある消耗品を扱うビジネス
  2. 企業が自社製品を広くPRするときに利用する広告媒体
  3. 個人や企業が繰り返し利用するもので、税務代行、清掃、保安、害虫駆除などのサービス
  4. 多くの人が日常的に使用する必需品(宝石、家具、カーペット、保険など)を廉価で提供するビジネス

大切なことは、「その商品やサービスをの競争力に持続性があること」ということと、繰り返し述べられています。逆に、価格競争型の企業には以下のような事例が挙げられています。

価格競争型の企業
  • インターネットのポータル運営
  • インターネットプロバイダー
  • メモリーチップ・メーカー
  • 耕作会社
  • 穀物生産(トウモロコシや米などの)
  • 鉄鋼製品
  • 石油・天然ガス
  • 林業・製材
  • 紙・パルプ
  • 自動車

明日からの自分の株式投資にも活かせる内容となっています。なお、最近ではSBIネオモバイル証券で、月額216円から1株単位の数百円などで株式を購入することができるようになりました。

毎月Tポイントを200ポイントもらうことができ、Tポイントから株式を購入することもできますので、まずは少額から株式投資を始めたい方はSBIネオモバイル証券の利用がもっともおすすめです。

株式投資を行う前の10個のチェック項目

また、本書においては株式投資に関する10の項目も紹介されていますので、合わせて参考にしておくと良いでしょう。

持続的な競争力を持つ企業
  1. ROE(株主資本利益率)は高く安定しているか(12%以上)
  2. ROTC(総資本利益率)も高く安定しているか
  3. 利益のトレンドは上向きか(EPS)
  4. 多くの長期債務を抱えていないか
  5. 持続的な競争力を持つ製品やサービスを持っているか
  6. 労働組合はないか
  7. インフレの影響を製品やサービスの価格に転嫁できるか
  8. 内部留保利益を蓄積しているか
  9. 自社株買いを実施しているか
  10. 内部留保利益が企業価値を向上させているか

最後に、本書では「株式が10〜25倍という平均的なPERから40倍以上にまで買われたら、それはすでに大衆の投機局面に突入したので直ちに保有株を売却すべき」と、売却タイミングに関しても色々と記述されており、非常に参考になりました。

ポートフォリオについて学びたい方におすすめの本②:バフェットのポートフォリオ

バフェットのポートフォリオでは、「経営者を評価する方法」が記載されていました。株式投資をするにあたって、その企業の経営者が信頼たりうるのかは非常に重要です。

経営者を評価する方法
  • 年次報告書を数年間遡って検討し、将来の経営戦略について経営者が当時語っていることに特に注意を払う
  • その計画を今日の成果と比較する。どの程度完全に計画が実現したか
  • 数年前の戦略を今年の戦略や考え方と比較する。考え方がどう変わったか
  • 興味を抱いた会社の年次報告書を同業他社のものと比較する。うり二つのものを見つけるのは必ずしも容易ではないが、相対的業績比較でさえ洞察力が得られることがある

これは以前に筆者が読んだ日本の億万投資家名鑑 (日経ホームマガジン)にも書かれていたことですが、過去に経営者が語っていることが、本当に実現されているかを確認するというのは、有効な手法のように感じられます。

言ったことを実現するのが経営者の仕事であり、それが実現されていないとなると、業績予想が発表されても、その業績は達成されない可能性が高いでしょう。

バフェットの思想を詳しく知りたい方におすすめの本③:バフェットからの手紙

本書で筆者が一番印象に残ったのは、以下の2文です。

  • 正しい投資法というのは、投資か自身がその何がしかを理解していると信じ、かつその経営陣を完全に信頼する企業に、かなりのまとまった額を投資することだということです。
  • 投資家の目的は、十分に理解ができ、かつ5年、10年、20年後に実質上確実に高い収益を上げるであろうビジネスの一部を、合理的な価格で購入すること。

また、本書ではバフェットが永久に保有し続けるつもりの銘柄として以下の3つが紹介されています。

バフェットの保有銘柄の事例
  • キャピタルシティーズ・ABC
  • GEICO
  • ワシントン・ポスト

本書にて投資すべき銘柄は、ブランドネームの力や商品の特性、また流通システムの強さにより並外れた競争力が生み出され、財政の「城」の周囲には、将来に備えて堀が築かれると説明されています。

一方で対照的に平均的な企業は、このような自らを保護する手段を持たずに日々戦っていると解説されています。そして、バフェットが企業を買収する際の条件なども解説されています。

企業を買収する際の条件
  1. 大きな買収
  2. 一貫した収益力の照明
  3. 負債をわずかしか、あるいは全く用いないで高い収益を上げる企業
  4. 経営陣が定着していること
  5. 単純な企業
  6. 価格が提示されること

基本的にバフェット率いるバークシャーハサウェイ社は、買収時には一度しか面談をしないようです。他にも色々とウォーレンバフェットに関しては様々な本で名言が紹介されていますので、筆者が印象に残ったものをいくつか書いておきます。

  • 優れた戦略とは、市場に深くかかわりのない人に説明しても理解してもらえるぐらいシンプルなものである必要がある
  • リスクとは自分が何をやっているかよく分からない時に顕在化するものだ
  • 間違った価格、あるいは間違ったときには絶対に買うな
  • 今日、株や債券や企業の価値は、その資産の残存期間に発生すると予想される現金の流入と流出(を適切な金利で割り引くこと)によって決まります

続いて、ウォーレンバフェットが大きく影響を受けた人物2人についてもご紹介します。

バフェットの基礎となる思想を知りたい方におすすめの本④:賢明なる投資家

ベンジャミングレアムは、ウォーレンバフェットの思想に大きく影響を与えた人物として有名です。本書の題名でもある「賢明なる投資家」では、ベンジャミングレアムの考え方は以下のように解説されています。

ベンジャミングレアムの考え方
  1. 投資とは、詳細な分析に基づいて行うものであり、元本を保全して、適切なリターンを上げることと定義する。この条件を満たさないものを投機と呼ぶ
  2. 将来のことはわからないのだから、投資家は手元資金を全て一つのバスケットに入れてはならない。その安全で堅実な範囲を超えて冒険に挑んだ人々は、精神的に大きな困難を背負うことになる
  3. 投資家と投機家の相違は、その人が相場変動に対して、どのような態度で臨むかという点である。投機家の最大の関心事は、株価の変動を予測して利益を得ることであり、投資家の関心事は、適切な証券を適切な価格で取得し保有する事である
  4. 安全域の原則を確固として守ることによって、十分なリターンを得ることが可能である。安全域の原則は、割安銘柄に適応する事でさらに明白なものとなる。割安銘柄は、株価がその株式の本質的価値よりも安い状態にある訳であり、その差が安全域である

ウォーレンバフェットのバリュー投資の基礎は、このベンジャミングレアムの思想によって築かれています。このグレアムの思想に加えて、よりバフェットの思想をブラッシュアップしたのが、長年の参謀であるチャーリー・マンガーです。

バフェットを影で支えた参謀について知りたい方におすすめの本⑤:投資参謀マンガー

ウォーレンバフェットの長年の相棒であるチャーリー・マンガーに関する本はいくつかあり、今では「マンガーの投資術 バークシャー・ハザウェイ副会長チャーリー・マンガーの珠玉の言葉」でも色々と紹介されています。

筆者が本書で一番印象に残ったのは、「良いビジネスと悪いビジネスの違いは何かと言うと、良いビジネスでは次々に楽な決断を下していけばいいのに、悪いビジネスでは繰り返し困難な決断を迫られるって事です」という部分です。

それぞれ5冊とも読み応えのある本となり、非常に勉強になる本ですので、有名なバフェット本を読み終えてしまった方におすすすめです。