投資信託は安全で利回りが高いのは本当か?危険性やリスクとの上手な付き合い方を解説

銀行や証券会社の販売員に「この投資信託ならリスクが低く抑えられていますので安心です」と言われて購入し、数年後に急な市場環境の変化などから、結局運用パフォーマンスが低下して損したという話は良く聞きます。

まず大前提ですが、投資信託は元本保証の金融商品ではなく、投資信託に絶対的に安全な商品は存在しませんので、金融機関には騙されないようにしましょう。

ですが、そんな投資信託の危険性をきちんと把握した上で、リスクと上手に付き合う方法はありますのでお伝えします。

投資信託のリスクとリターンの関係性


出典:投資信託協会

まず、投資信託だけでなく全ての投資に当てはまりますが、大きなリスクをとればとるほど、リターンはそれだけ大きくなるという事実があります。

銀行の定期預金に1年間預ける際にリスクは殆どありませんので、当然リターンである金利は0.1%もつきません。一方、株式投資をして1年間で10倍に価格があがる銘柄を引き当てれば、リターンは銀行の定期預金の100倍以上です。

ですが、投資した企業の株価が低迷し、元本が毀損するリスクもあります。このようにリスクとリターンは表裏一体の関係なのです。しかし、投資信託は他の金融商品とは異なる特徴を持っています。

投資信託のリスクは、投資信託の種類によって異なる


出典:モーニングスター

まず一般的に投資信託は、大きく「公社債投資信託(投資対象に株式は一切組み入れない)」と「株式投資信託」に分かれます。そしてそれぞれが、「いつでも購入できるのか?そうでないのか?」によって分かれます。

ですが、この区分にあまり意味はありません。投資家が注意して見るべきなのは、投資信託の「運用方針」です。運用方針によってリスクが増減するからです。

例えば、大きなリスクをとって大きなリターンを狙いにいく投資信託なのか、それともあまりリスクはとらずに平均的なリターンを狙いにいく投資信託なのかによって、投資家である私たちが損をする可能性も変わってきます。

運用方針別の投資信託の種類とは?

投資信託は運用方針によって、下記3種類に分類できます。

投資信託の種類
  1. インデックス型投資信託(インデックスファンド)
  2. アクティブ型投資信託(アクティブファンド)
  3. バランス型投資信託(バランスファンド)

それではそれぞれの詳細をリスク別にお伝えします。

リスクを抑えた運用なら、インデックス型投資信託(インデックスファンド)

インデックスファンド

まず、インデックスファンドとは「市場平均(ベンチマーク)並みの運用」を目指した投資信託になります。市場平均並みのリターンを目指すわけですので、当然リスクもその分抑えることができます。

この市場平均とは日本であれば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの株価指数をさします。米国では、代表的な株価指数として「NYダウ工業株30種」や「S&P500指数」などがあります。

例えば、米国の「S&P500指数」に連動したインデックスファンドへの投資は、世界一の投資家ウォーレンバフェットも推奨する投資方法です。

米国のS&P500指数とは?

S&P500指数とは、ニューヨーク証券取引所、NASDAQに上場している銘柄から、代表的な500銘柄の株価を浮動株調整後の時価総額比率で加重平均し、指数化したものです。

少々定義は難しいですが、簡単に言うと、市場平均以上のリターンをあげる株式銘柄を自分で選別して投資できないのならば、資産運用はインデックスファンドへお任せした方が良いというのが、世界一の投資家の考え方なのです。

S&P500(青色)・日経225(赤色)・TOPIX(緑色)のパフォーマンス比較

さてここで重要になってくるのが、「どのインデックスファンドへ投資するか?」です。

例えば、実際にここ10年の日本と米国のパフォーマンスを比較してみると、日本よりも米国の株価指数の方が高いパフォーマンスを挙げています。

将来どうなるのかは誰にも分かりませんが、極論は「今後日本と米国のどちらの将来に期待できるか?」という話になります。ですので、インデックスファンドを利用する場合は、期待できる方を購入された方が良いでしょう。

ハイリターンを目指すなら、アクティブ型投資信託(アクティブファンド)

続いて、アクティブファンドとは「市場平均を上回る運用」を目指した投資信託になります。市場平均を上回るパフォーマンスを目指す訳ですので、当然その分リスクは大きくなります。

こちらには例えば、主に日本の成長株に投資をするひふみ投信などが該当します。ひふみ投信は、アクティブファンドの中でも高いパフォーマンスを挙げています。

ひふみ投信はアクティブファンドの中でも高いパフォーマンス

実際にひふみ投信の基準価格は過去9年で4倍以上になっており、年間の平均利回りは20%近くなっています。TOPIXと比較してもパフォーマンスの高さが分かりますが、その分インデックスファンドよりはリスクが高くなります。

ひふみ投信は「日本の成長株」にフォーカス投資しているアクティブファンドですので、日本の株式市場が大暴落した場合などは、パフォーマンスが低くなる可能性はあります。

このようなリスクを踏まえた上で利用を検討される方は、詳細を下記よりご確認ください。

ポイント

【ひふみ投信の口コミ】買い時はいつ?今後も期待できるため投資した感想

2017年9月26日

ミドルリスクミドルリターンなら、バランス型投資信託(バランスファンド)

最後に、バランスファンドは、インデックスファンドとアクティブファンドの中間のようなファンドで、株式や債券など複数の資産を組み入れたタイプの投資信託です。このファンドのポイントは「分散投資」です。

バランスファンドには、例えばセゾン投信が提供する「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」などがあります。

こちらのファンドは「ひふみ投信」のように日本株にフォーカスしている訳ではなく、「世界中に分散投資」「株式と債券へ分散投資」している点が特徴です。

一般的に「アクティブファンド」よりも「インデックスファンド」や「バランスファンド」の方が手数料やすくなりますので、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」はローコスト運用を目指している点も特徴です。

投資信託の危険性やリスクとの付き合い方に関するまとめ

以上になりますが、投資信託の危険性やリスクとうまく付き合うためには、投資信託の運用方針に応じて、投資信託にも分散投資をすることが大切です。

また、最近では「投資信託」に限らず、リスクを抑えて利回り10%を狙える「ソーシャルレンディング」などの新しい金融商品が出てきています。下記にて詳細をご紹介していますので、良ければ検討してみてください。

メリット

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