【仮想通貨の選び方】投資や資産運用の初心者が購入前に知っておきたいこと

投資判断

仮想通貨での資産運用を決めたものの「どの仮想通貨に投資すれば良いのか?」という疑問にお答えするために、長期的な目線での仮想通貨の銘柄の選び方をお伝えします。

仮想通貨を選ぶ際に一番大切なこと

まず、仮想通貨投資で一番大切なことは、誰かの「意見」ではなく「事実」を確認し、自ら考え納得してから投資することです。

そして、購入前に、①なぜ購入するのか?、②購入後に想定されるリスクは何か?、③どのような状況になったらその仮想通貨を売るのか?ぐらいは、最低限紙に書き出すと良いでしょう。

仮想通貨を選ぶ際の3つの観点

仮想通貨を選ぶ観点の例
  1. 仮想通貨の時価総額から選ぶ
  2. 仮想通貨の取引高から選ぶ
  3. 仮想通貨を取り扱っている取引所の数から選ぶ

仮想通貨を選ぶ観点には上記のような視点が挙げられますが、ここからはそれぞれの詳細や確認方法を具体的にお伝えします。

1. 仮想通貨の時価総額から選ぶ場合

まず、仮想通貨の時価総額から選ぶ場合は、coinmarketcapを確認します。

そこで「marketcap(時価総額)」が載っていますので、こちらで時価総額の大きい仮想通貨を確認して投資検討をします。

ただし、株式市場と同じように、単純に「時価総額が大きいから今後も価格が上昇する」とは限りませんので、あくまで参考情報として捉えておくのが良いでしょう。

2. 仮想通貨の取引高から選ぶ場合

続いて、世界中にある仮想通貨の取引所の「仮想通貨の取引高」も、同サイトで確認ができますので、こちらも投資の判断材料になります。

ですが、何かしらの好材料のニュースが出たことで、一時的に取引高が大きくなって、価格が高騰している場合もありますので、取引高の確認の際には注意が必要です。

24時間の取引高だけでなく、月間の取引高を確認する

そのため、「24 Hour Volume Rankings」という24時間の取引高だけでなく、上タブの「Trade Volume」ボタンから「Monthly Volume Rankings」を選択し、月間の取引高を確認した方が良いでしょう、

また、投資を検討しているコインについては、コインのボタンをクリックして、それまでのコインのチャート推移も確認しておいた方が良いでしょう。

3. 仮想通貨を取り扱っている取引所の数から選ぶ場合

他にも、その仮想通貨を取り扱っている仮想通貨の取引所の数を判断材料にする方法もあります。

例えば、日本で人気の仮想通貨モナーコイン(Monacoin)について調べるとします。まずは「Monacoin」をクリックするとこれまでの価格推移のチャートがでます。

そこで赤ワクでくくった「Market」ボタンをクリックします。そうすると、現在モナーコインを取り扱っている仮想通貨の取引所が確認できます。

仮想通貨の取引所の取引高のみが、確認可能

上記の図では、日本であれば緑色で囲った「ビットバンク」「Zaif(フィスコ仮想通貨取引書が買収済)」「フィスコ仮想通貨取引所」など、モナーコインの取引所の機能がある業者が確認できます。

モナーコインの取引所とは、ユーザー同士でモナーコインを売買できる場です。

これに対して、モナーコインの販売所もあります。モナーコインの販売所とは、名前の通り販売業者から直接モナーコインを買う場です。

仮想通貨の取引所と、仮想通貨の販売所の違い

取引所と販売所の違い
  • 取引所:ユーザー同士で仮想通貨を売買する場
  • 販売所:業者から仮想通貨を購入する場

例えば、日本では金融庁登録済の仮想通貨の交換業者「ビットフライヤー」でもモナーコインを取り扱っていますが、ビットフライヤーは「モナーコインの販売所」となります。

このような販売所形式の業者から購入する場合、若干手数料は高くなっています。その分一度に大量の仮想通貨を同じ値段で買えるメリットもありますが、利用時には注意が必要です。

国内の仮想通貨の取引所の「取り扱い銘柄」を確認する


上記に付随して、国内の仮想通貨の取引所の取り扱い銘柄を確認しておいても良いでしょう。

なぜなら、国内の仮想通貨の取引所は、日本円の流入が見込める銘柄を取り扱う可能性が高いと考えられるからです。また、そもそも仮想通貨の取引所は、今後売買が見込める仮想通貨以外を取り扱うメリットがありません。

そのため、日本国内の仮想通貨の取引所が取り扱うにあたっては、事前にしっかりとその仮想通貨を調査しているはずです。

仮想通貨の初心者が選択すると良い銘柄は?

したがって、仮想通貨の初心者の方は、まずはそのような時価総額が高く、取引高が大きく、取り扱っている取引所が多い仮想通貨の銘柄を選択されるのが良いでしょう。

このような観点から考えた場合、ビットコインの次に国内で取り扱いが多いアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)は、ビットコインキャッシュ、イーサリアム、ライトコイン、リップルになります。

それらは全てbitbankから安く購入できますので、まずはbitbankに口座開設をして少額から購入してみるのが良いでしょう。

ただし、イーサリアムやライトコインについては、bitbankではビットコインからしか購入できませんので、日本円から購入したい場合は、GMOコインを利用されるのがおすすめです。

仮想通貨中級者が、投資判断のために確認した方が良いこと

ここからは中級者以上向けの内容となりますが、上記の判断軸以外に、仮想通貨の投資判断のために確認した方が良いことをご紹介します。

確認した方が良いこと
  1. 仮想通貨の基本システムを確認する(PoWかPoSか?など)
  2. 仮想通貨の用途を確認する(価格が上昇することに矛盾を抱えないか?など)
  3. 仮想通貨の実際の利用状況を確認する(大企業が導入しているか?など)
  4. 仮想通貨の開発メンバーやコミット頻度を確認し、開発の持続性を検討する
  5. 仮想通貨のステークホルダーを確認する

1. 仮想通貨の基本システムを確認する

まず、仮想通貨の基本システムやアルゴリズムに関しては、仮想通貨の公式サイトで確認が可能です。代表的なシステムには「Proof of Work」「Proof of Stake」などがあります。

「Proof of Work」の場合はマイナー(採掘者)が存在します。

そのため、どのような企業がマイニングに参加しているのか?や、実際のマイニング状況、ハッシュレートの状況なども合わせて確認した方が良いでしょう。

2. 仮想通貨の用途を確認する

続いて、仮想通貨の用途を確認します。用途に関しては、公式サイトやホワイトペーパーで確認が可能です。

例えば、クラウドストレージサービス(StorjやMaidsafe)の場合は、コインを使用することでそのサービスを利用することができます。

そのため、コインの価格が上がってしまうと、サービスを使用する際の手数料が高くなってしまいますので、実は矛盾を抱えることになります。

だからと言ってそのようなコインの価格が上がらないとは言い切れませんが、その点は念頭においておいた方が良いでしょう。

3. 仮想通貨の実際の利用状況を確認する

続いて、仮想通貨の実際の利用状況を確認します。例えば、ビットコインであればCoinmapで確認が可能です。

具体的には「Microsoft」や「Expedia」などの大企業もビットコイン決済を受け入れており、日本でも「ビックカメラ」や「マルイ」「HIS」などでも利用が可能になっています。

このように実際に世界中で利用できる状態が広まりつつある点は、ポジティブに評価して良いでしょう。

また、その仮想通貨に熱烈なファンがいて、その仮想通貨を利用する「コミュニティ」が生まれている場合なども、プラス材料と言えます。例えば日本で人気のNEMなどは、実際に渋谷にNEM Barが誕生しています。

4. 仮想通貨の開発メンバーやコミット頻度を確認し、開発の持続性を検討する

続いて、仮想通貨の開発状況に関しては、開発状況がオープンになっていれば、Githubで状況を確認することができます。Githubでのコミット頻度も確認し、今後も開発が続いていくプロジェクトなのか?などを検討します。

然し乍ら、開発状況がオープンになっていない場合は調査に限界があります。そのような場合は、最終的にはコミュニティや開発の中心人物を信じられるかどうか?という話になります。

5. 仮想通貨のステークホルダーを確認する

最後に、投資しようとしている仮想通貨のステークホルダー(利害関係者)を検討してみます。例えば、ICOの場合はベンチャーキャピタルが開発会社に出資をしていたりします。

他にも、ICOを実施していない仮想通貨であっても、JPモルガンに技術を提供している「ジーキャッシュ(ZEC)」には、イーサリアム開発者の「ビタリク・ブリテン」や、ビットコインエバンジェリストの「ロジャー・バー」などが出資していたりします。

ですので、その仮想通貨のステークホルダーに誰がいるのか?も、きちんと投資前に確認した方が良いでしょう。

購入予定の仮想通貨に投資すべきタイミングを検討する

タイミング

こうして「購入したい仮想通貨」が決まったら、次に検討すべきは「いつ投資すべきか?」です。

できる限りその仮想通貨が「割安」な水準で購入した方が安全度は高まりますが、仮想通貨市場には株式市場における「PER」のような指標がないため、割安かどうかを判断するのが難しくなっています。

例えば、株式投資ではどんなに魅力的な株であっても、その株のPERが非常に高くなっており完全に「割高」と言える場合、手を出すのは賢明とは言えないでしょう。

仮想通貨同士の時価総額を比較したり、過去推移から検討する

従って、仮想通貨の場合は、仮想通貨同士の時価総額を比較したり、過去のチャート推移から購入すべきレートを決めるなどの方法が考えられます。

もしくは、何かしらのニュースによって価格が一時的に暴落したタイミングや、ビットコインなどの他の仮想通貨へ資金が移動して、たまたまそのアルトコインの価格が下落したタイミングに購入する方法なども考えられます。

仮想通貨への分散投資と、仮想通貨の取引所の複数利用が安全

上記のような観点から仮想通貨の分散投資をすることに加えて、仮想通貨の取引所も分散して利用した方が、取引所の倒産リスクや仮想通貨の盗難リスクをヘッジできます。

これから仮想通貨を始めてみようという方は、複数の仮想通貨の取引所に口座を開設し、分散投資を実施した方が良いでしょう。

仮想通貨やアルトコインの1年後を予想するのは難しい

仮想通貨で資産運用・投資

ちなみに、2017年の年初に、2017年の年末のビットコインやアルトコインの価格を的中させた人は、おそらく世界中に1人もいないでしょう。

何故ならば、基本的に数年以上のスパンでの価格を的中させるのは、単純に難しいからです。

2017年の主要な仮想通貨の年間リターン

仮想通貨の名称 単位 1月1日時点の価格 12月31日 年間リターン
ビットコイン BTC 117,353円 1,570,001円 約13倍
イーサリアム ETH 995円 85,094円 約85倍
イーサリアムクラシック ETC 175円 3,010円 約17倍
ライトコイン LTC 531円 25,683円 約48倍
モナーコイン MONA 2.8円 1,124円 約401倍
リスク LSK 19円 2,270円 約119倍
リップル XRP 0.7円 232円 約300倍
ネム XEM 0.4円 110円 約255倍
ファクトム FCT 346円 5,260円 約15倍
モネロ XMR 1,643円 38,241円 約23倍
オーガー REP 460円 7,857円 約17倍
ダッシュ DASH 1,376円 117,750円 約85倍
ジーキャッシュ ZEC 5,742円 54,656円 約9.5倍
ビットコインキャッシュ BCH 32,825円(8月14日誕生) 278,663円 約8.4倍

実際には、ビットコインや主要なアルトコインの年間リターンは上記の結果となりました。

例えば、1月1日にモナーコインに100万円を購入して年末に売却していれば、4億円程度の利益になっていたとは言えるでしょう。

しかしながら、一体誰がモナーコイン が年末に1124円になると、予想できたでしょうか?

仮想通貨市場が成長するため、「長期的には仮想通貨の価格は上昇する」と予想することは誰でも可能です。ですが、それではその価格が具体的にいくらになるのか?は、誰にも分からないのです。

長期的な価格は分からなくても、短期的な上昇は予想ができる

ただし、仮想通貨の正確な将来価格は分からなくても、短期的に上昇する仮想通貨の銘柄を的中させることは、実はそこまで難しくないのです。

何故ならば、これまでの仮想通貨の価格推移の歴史を振り返ると、大手の仮想通貨の取引所が新しい仮想通貨の取り扱いを開始すると、その仮想通貨の価格は短期的には暴騰するからです。

人気のアルトコインであるモナコインの上昇の例

例えば、2017年10月3日に、国内の大手仮想通貨の取引所であるビットフライヤー(bitFlyer)が、日本初の暗号通貨である「モナーコイン」の取り扱いを開始しました。

ビットフライヤーがモナーコインを取り扱った時点では、その価格は50円〜60円のレンジで推移していました。しかし、わずか11日後の10月14日には、一時期600円を超える暴騰を見せました。

ビットフライヤーにモナーコインが上場したという事実だけで、短期間で10倍以上にも価格が上昇したのです。

ビットフライヤーのアルトコイン販売所は、購入が簡単

このような価格上昇の背景には、ビットフライヤーのユーザー数が日本だけで数百万人以上いる点と、ビットフライヤーでは簡単にアルトコインが購入できるという点が影響していると言えます。

実際のところ、ビットフライヤーのアルトコイン販売所では、日本円を入金したらわずか4ステップで、簡単にアルトコインを購入できてしまいます。

また、ビットフライヤーはスマホアプリも提供していますので、アプリからすぐに購入するユーザーも、一定数存在します。

このようにビットフライヤーでは、パソコンからでもスマホからでも簡単に仮想通貨を購入できるため、一度アルトコインの価格が上昇すると、次々に購入する人が現れるのです。

人気のアルトコインであるリスクの上昇の例

続いて、2018年1月31日にビットフライヤーは、人気のアルトコインであるリスク(LSK)の取り扱いも開始しました。

2018年1月から、仮想通貨市場の相場自体は下降トレンドとなっていますが、ビットフライヤーがリスクの取り扱いを開始したことで、短期的にはリスクの価格も上昇しました。

それまで約2,300円程度で推移していたリスクが、たった1日で3,500円以上にまで値上がりしたのです。つまり、1日で約1.5倍の上昇を見せています。

そのため、リスク(LSK)の上場と同時に即座にリスク(LSK)を購入し、その後ある程度値上がりしたところで売却すれば、たった1日デ簡単に利益を出すことができました。

例えば、ビットフライヤーにあらかじめ100万円を預けていれば、1.2倍〜1.3倍に価格が上昇したところで売却したとしても、たった1日で数十万円の利益を上げることができたのです。

仮想通貨の取引所に複数口座を開設して日本円を多少預けておく

そのため、このようなチャンスをものにするためには、アルトコインが仮想通貨の取引所に上場する前に、ある程度は取引所に日本円の資金を預けておけば良いのです。

もちろん大事な資金を預ける訳ですから、取引所の倒産リスクは気にしなければいけません。ですが、仮想通貨の交換業者は、会社の資金と顧客の資金とは分別管理しています。

また、仮想通貨と違って、日本円の資金がハッキングされるリスクは低いと言えます。なぜなら、私たちが取引所に日本円を振込した場合、取引所の銀行口座にお金が入るだけだからです。

取引所が利用している日本の銀行の口座が、何者かにハッキングされて資金が全て抜かれてしまったりしない限りは、そこまでリスクを気にすることもないとは言えるでしょう。

仮想通貨の取引所で仮想通貨を売買するためには本人確認が必要

なお、仮想通貨を売買するためには、基本的に仮想通貨の取引所に運転免許証などの本人確認書類の写真をアップロードし、後日自宅に届くハガキを受け取る必要があります。

単純にメールアドレスを登録しただけでは、ビットフライヤーの場合は「ウォレットクラス」にしかならず、仮想通貨の売買すらできません。

きちんと電話番号認証や本人確認を完了させることで、アカウントは「トレードクラス」となり、仮想通貨の売買が可能になります。

日本の仮想通貨の取引所は今後もアルトコインを増やすだろう

また、例えばビットフライヤーは、今後もアルトコインの販売を増やすことを表明しています。

例えば、以前のビットフライヤーのニュースリリースでは、ビットコインから分岐したビットコインゴールド(BTG)の付与と売買サービスの提供も表明しています。

今後新しくビットフライヤーにアルトコインが上場し、新しく取引が開始された場合は、その価格が少なくとも一時的には上昇することが想定されます。

取引所は長期的に価値が上がる仮想通貨を取り扱いたい

また、仮想通貨の取引所が、新しい仮想通貨の取り扱いを決める際には、事前に取り扱う仮想通貨に対して入念な調査をします。

将来的に人気がでない仮想通貨を取り扱ってしまっては、ユーザーに売買もされなくなってしまうため、取引所側としても、将来的に長期にわたって人気がでそうな仮想通貨を取り扱いたいのです。

以上より、短期での上昇に載って利益を上げることを狙ったり、取引所が選定した仮想通貨に長期的な投資をしたい場合は、あらかじめ取引所に口座開設しておくのが良いでしょう。

口座開設や口座の維持手数料は全て無料ですので、少なくとも5万円〜10万円程度は資金を預けておき、チャンスを待ってみてはいかがでしょうか?